アルコール手指消毒剤使用、インフル予防に有意な効果なし
日経メディカルエクスプレス 2010.10
・米ヴァージニア大学小児科Ronald B. Turener氏らの報告
・ライノウイルス、インフルエンザウイルスが手指に付着している場合、エチルアルコール含有消毒剤で持続的に不活化される
・実際の予防効果を検証
 ・健常ボランティア212人を無作為介入群116人、対照群96人に分ける
 ・介入群は62%エチルアルコール+2%リンゴ酸、2%クエン酸含有消毒剤を覚醒時・3時間毎使用
 ・期間は2009年8月25日から11月9日までの10週間
・発熱なく鼻水、鼻づまり、咽頭痛、咳が3日続く場合を風邪症状と診断
 ・風邪症状が出た日の前後8日以内にライノウイルスを検出した場合風邪発症
・上気道症状の有無に関係せず、発熱、筋肉痛ある場合をインフルエンザ様疾患の発症と診断
・ウイルスは鼻汁を検体としてPCR法で確認
・結果 

介入群対照群
ライノウイルス(+)49人(42.2%)49人(51.0%)両群に有意差なし
ライノウイルス感染症状あり26人(22.4%)24人(25.0%)
インフルエンザウイルス(+)14人(12.2%)14人(14.6%)両群に有意差なし
インフルエンザ感染感染症状あり9人(7.8%)10人(10.4%)


介入群対照群
風邪症状を呈したもの56人(48.3%)72人(75.0%)有意差ありP<0.02(介入群で少ない)

日常生活での手指のアルコール消毒はインフルエンザ予防に有効ではなかった
・手指による接触感染より飛沫感染による伝播の割合が大きい


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