インクレチン薬の使い方
日経メディカル 2010.07
・ブドウ糖負荷でのインスリン反応は経静脈より経口摂取の方が高い
・これをインクレチン効果という
・栄養素の刺激で上部小腸のK細胞から分泌されるGIP(Gastric Inhibitory Polypeptide)、下部小腸のL細胞から分泌されるGLP-1(グルカゴン様ペプタイド)の2つのホルモンの作用
・U型糖尿病では食後のインスリン分泌が低下し、グルカゴン分泌抑制の低下
・グルカゴン分泌抑制はGLP-1のみ、中枢神経に働き食欲抑制
・GLP-1は動物実験では膵β細胞の増殖・保護作用
・GIPは脂肪細胞の増殖を促進し、体重増加を招く
・インクレチン特にGLP-1の作用を増強すればU型DMの食後血糖を改善できる
・インクレチンは血糖依存性なので低血糖のリスクが少ない
・胃バイパス術では下部小腸のL細胞が強く刺激されGLP-1の促進が起こる
・GLP-1、GIPともDPP-4ですぐに分解されるので両者を補充しても効果なし
・DPP-4の作用を受けにくいGLP-1アナログ(類似化合物)が開発
・両薬の比較
DPP−4阻害薬GLP-1アナログ
経口薬皮下注射
内因性活性型インクレチン(GLP-1とGIP)を2〜3倍増加外因性活性型GLP-1血中濃度が数倍増加
体重への影響なし体重減少効果
SU剤との併用で低血糖リスク単剤でも血糖降下作用が強い
副作用が少ない吐き気、嘔吐などの副作用あり
・製剤

薬品名商品名
GLP-1アナログリラグルチドピクトーザ
DPP-4阻害剤シタグリプチンジャヌビア、グラクティブ
ビルダグリプチンエクア
アログリプチンネシーナ
・現在認められているインクレチン関連薬の併用薬
インクレチン関連薬
併用薬
SU薬
チアゾリン
ビグアナイド
αGI
インスリン
リラグルチド(ピクトーザ)
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シタグリプチン(ジャヌビア・グラクティブ)
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ビルダグリプチン(エクア)
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アログリプチン(ネシーナ)
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×(認可予定)
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