アルツハイマー病の新薬
Nikkei Medical 2010.冬
・現在日本で承認されているのはドネペジル(アリセプト)のみ
・アルセプトはアセチルコリンエステラーゼを阻害し、脳内のアセチルコリン濃度を高める
・発売予定の新薬

海外日本作用機序日本製薬会社
リバスチグミン 1997年スイスでカプセル剤発売
2007年米国で貼付剤
2010年2月承認申請(貼付剤)アセチルコリンエステラーゼを阻害ノバルティス/小野
ガランタミン1996年スウェーデンで経口剤発売同上 アセチルコリンエステラーゼを阻害
ニコチニックAPL作用
(アセチルコリン放出増強、ニコチン受容体の亢進によるシグナル伝達増加)
ヤンセン
メマンチン2002年同上 ADではグルタミン酸の過剰状態とその興奮毒性が関与。グルタミン酸受容体(NMDA)に結合して拮抗作用。その神経細胞の障害や壊死を防ぐ
アリセプトと併用例が多い
第一三共

・3つの新薬ともADの進行を遅らせるもので病期そのものを止めることは出来ない
・アミロイド仮説によればADはアミロイドβの蓄積から始まる
・アミロイドβはその前駆体(APP)がβおよびγセレクターゼによって切断されて産生される
・この酵素を阻害する薬剤、アミロイドを攻撃する抗体産生(アミロイドワクチン)させる薬剤が根本的治療となる
・米国イーライリリーは2010年8月13日γセレクターゼの開発を断念した。
・ADと診断された時点でこれら薬剤を使っても手遅れの可能性
・早期の治療が必要
 ・早期診断の方法は?→PETによるアミロイドβ蓄積のモニタリング、髄液中のアミロイドβなど
・症状が出る前にアミロイドβの発生を長期間抑制してADの進行、発症を遅延できないか?

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