A型肝炎の最近の動向
Medical Tribune 2010.12.16
・A型肝炎ウイルスは糞便中に排泄され経口感染によって伝播
・上下水道が整備されると大規模な集団発生はなくなる。
・日本では まだ年間200例近くの報告がある
・A型肝炎は1999年の4月1日施行の『感染症法』で診断した医師は届け出の義務がある
・2010年(第1週〜第28週)に報告された236例のうち199例が経口感染
 ・そのうち58例がカキの喫食が認められる
・集団発生の原因食品や感染経路の推定はされるが、散発例では推定できない
・その理由
 @潜伏期間が約1ヶ月と長く、さかのぼっての調査が困難
 A届けられても食中毒としての調査が行われることが少ない
 BIgM抗体検査による診断が行われていない。
・クラスター分析で2010年の原因HAVにフィリピン、韓国のHA株がみられる。
・慢性化することはないが回復までに1〜2ヶ月かかる
・5歳以下の患者の50%が不顕性感染で年齢とともに顕性感染が増加する
・成人では90%発症、年齢が上がるにつれ重症化傾向あり
・HAV常在地域では長期間にわたって防禦抗体のIgG抗体を獲得するが、感染機会が減ると抗体獲得年齢が上昇する。
・低年齢層に発症が少ないのは不顕性感染とカキ、魚介類の生食が少ないためだろう
・HAVの予防
 ・手洗いなどの衛生管理→
 ・HAV不活化には
   ・85度で1分間の加熱
   ・塩素剤、グルタールアルデヒドによる消毒
 ・ワクチン接種(3回接種で長期間の予防効果)16歳以上で任意接種
 ・食品取扱者にワクチン接種を推奨
 ・医療従事者、保育・障害者施設関係者、男性同性愛者にもワクチン接種推奨
私見)
A型肝炎が怖くてカキが食えないのか??

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