ビタミンは病気に効くのか
府医ニュース 『ミミズクの小窓』より 2595号
ライナス・ポーリング博士の『ビタミンCは風邪に効く』という意見
・彼は医師ではないがノーベル生化学賞受賞者なので信頼感がある
・欧米ではビタミンの有効性に関する研究がいまだに行われている
・最近の論文ではEffect of B-Vitamin Therapy on Progression of Diabetic NephropathyJAMA303:1603,2010DM性腎症にビタミンB群(葉酸、B6、B12)が効くかという報告
・欧米のDMではホモシスティン血症が合併し、ビタミンB群がそれを低下させるのではないか?
 ・結果はビタミンB群を使った方が糸球体濾過量が減少し、血管系エベントが増加し、有害だった。
・DMを合併しない非アルコール性肝炎(NASH)に対するピオグリタゾン、ビタミンEの効果 NEJMoa0907929
 ・NASHの原因としてインスリン抵抗性があるのでピオグリタゾンで改善
 ・酸化作用も原因となるから抗酸化作用のあるビタミンEを使う
 ・効果ありとの結果(組織学的な改善、ALT、ASTの改善)
・この手の研究が今後増えてくるのでは・・・、
 『柳の下にいつもドジョウは居ない』You can’t always find a loach under a willow tree.
・ポーリング博士はビタミンC大量療法を研究、しかし反論する者に対して中傷したため彼の業績を汚すことになった。
・2005年ビタミンCが過酸化水素依存性の細胞壊死を起こすという論文発表(Proc Natl Acad Sci USA 102:13604,2005
 ※Pharmacologic ascorbic acid concentrations selectively kill cancer cells: Action as a pro-drug to deliver hydrogen peroxide to tissues
・これがビタミンCの抗癌効果の端緒となるかもしれない。


もとに戻る