IVHの際、ガウンテクニックは必要か? CDCのガイドラインでは中心静脈カテーテル挿入時は完全滅菌装備(ガウン、マスク、帽子、手洗いetc)が推奨されているが、現場ではどうなのか? 2011.02.14 m3comカンファレンス抜粋 |
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・CDC(米国疾病予防管理センター)の感染対策ガイドラインでは推奨されている。 「カテーテル挿入時の高度無菌バリアプレコーション A. CVC(PICC を含む)挿入時またはガイドワイヤー交換時には、帽子、マスク、滅菌ガウン、滅菌手袋、大型の滅菌ドレープを用いて無菌操作で行うこと(22, 71)。カテゴリーIA」 ・CVカテーテル挿入では穿刺回数の多い少ないと滅菌操作の程度によってその後の感染率が違う ・指針通りにやれば入院や在宅患者では感染せずに半年や1年使用可能。 ・中心静脈カテーテル急を要して挿入が必要な場合が多い、そんなに念入りに滅菌・消毒が出来ない場合も多い。 ・CDCの中心静脈挿入時ガイドラインのMaximal Barrier Sterile precautions(MSBP)の根拠リンパ腫などの免疫不全患者をベースにしたもの。 ・通常の場合にはそこまで必要でないというDataも多い https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr.cgi?function=brows&action=brows&type=summary&recptno=R000003493&language=J ・MSBPは見直されるべき ・大事なことは、穿刺刺入部を汚染しない、刺入部から汚染物を押し込まないこと。 ・ガイドラインとは、参考にして自分の能力に見合った方法を考えて実践すること。 ・CVカテーテル挿入に際し、穿刺回数の多い少ないと滅菌操作の程度によってその後の感染率が違う ・指針通りにやれば感染せずに半年や1年使用できることもある ・ガイドラインを守らず感染を発症したら訴えられる可能性? ・CVカテ留置は状況(救急・術前・術中・長期療養etc.)や患者要因、環境、術者、キットなどによって感染のリスクは大きく異なる。 ・挿入時の問題以上に、「管理の問題」も大きい ・どんなに厳重なプリコーションをしても、管理がダメダメなら容易に感染を起こす。 ・ガイドラインもは米国で成立することが日本で同じだとする妥当性はあるのか? ・「指針」にしても良いのでは、絶対視するのはいかがなものか? ・訴訟対策は重要だがそれを言うのは本末転倒。 ・訴えられないためにガウンを着るのではなく、感染発症に対して早期対応すること。 ・どの程度の頻度でカテ感染を生じているかを分析し、プリコーションの有無による費用対効果を自らの施設で検討すべき ・ガウンテクニックの問題ではなく皮膚をカテーテルが長期間貫通していることが感染の最大要因 ・ガイドライン通りに治療しても結果が悪ければ意味ない ・統計学的にもっともリスクの少ない方法がガイドラインと一致していればそれで良い ・ガイドラインを金科玉条の如く扱うことは如何なものか。 ・ガウンテクニックは施行したほうが良い ・ガイドワイヤー式のCVカテ挿入時はガイドワイヤーがはねて手袋以外のとこにあたることあり。 ・ガウンテクニックなしでも感染率が変らないというデータあり(Ann Surg. 2010 Apr;251(4):620-3. ) ・カテーテル感染を減らすには、三方活栓の清潔な取り扱い、接続回数の減少努力、穿刺部の清潔管理などもある ・コストを云々と言うが、包括医療の現在では不必要な抗生剤の投与、カテ入れ替えの減少の方が大切である。 ・
・この研究対象は半数以上が手術患者、またCVC留置のmedianも14日と短い
・この結果でCVC留置におけるMSBPが不要との結論は早計・高齢者病院では、全身状態が不良の患者に対し、もっと長期間のCVC留置を行っている ・術者(挿入者)の頭などからのフケ、口から飛ぶつば、衣類についたゴミ、などが落下して創部に落ちることが、感染の主因になりうる ・だからガウンテクニックは必要 ・ 材料費がかかるが感染症が発生した時の医療費や、リトライ困難な症例、再挿入の手間ひまを考えれば、あながち悪くない。 |
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ガイドライン[guideline] 指標・指針・誘導指標・指導目標などと訳される。 組織・団体における個人または全体の行動(政府における政策など)に関して、守るのが好ましいとされる規範(ルール・マナー)や目指すべき目標などを明文化し、その行動に具体的な方向性を与えたり、時には何らかの「縛り」を与えるもの。 はてなキーワードより引用 |