バセドウ病・甲状腺がんでのアイソトープの放射線量・発癌の危険率
m3comカンファレンス『放射性ヨードと発癌』より 2011.03.25
質疑・応答まとめ
・ヨード131による甲状腺ヨード摂取率検査では25μCi(=925Kベクレル)を使用
 ・水道水に370ベクレル/kgのヨード131が含まれているとすると2500リットル飲めばヨード摂取率検査可能?
バセドウ病の治療ではヨード131なら10mCi(10,000μCi)程度を使用(甲状腺腫の状態、核種で異なる)
 ・370Bq/kgのヨード131が含まれる水なら1000トン分
 ・日本では通常、ヨード131の投与量を吸収線量が60〜90Gy(≒Sv)になるように設定
 ・機能低下の発症率は5年後で5〜20%
 ・米国では確実に治癒させるためヨード131の投与量を100〜200Gyの吸収線量に設定
  ・5年後に70%が機能低下
  ・これだけ投与しても、全身の癌発生率は上昇なし
  ・甲状腺細胞が死滅するので甲状腺癌の危険性が低下
欧米では抗甲状腺剤ではなく、RI治療が第一選択
 ・RIよりも抗甲状腺剤の方が毒性が強いと判断されている
甲状腺癌の治療では通常100〜200mCi(3.7〜7.4GBq)を使用
チェルノブイリ原発事故後の小児甲状腺癌の解析結果Risk of Thyroid Cancer After Exposure to 131I in Childhood
 ・マウスでの実験では1回外部全身照射による白血病誘発の研究結果あり
 ・線量に応じて発症率が増加し、確か 2Gy 前後でピークとなり、それ以上では減少
 ・甲状腺では1 〜 2Sv 以下の少量被曝でも問題になる
 ・個人的には現在の汚染レベルでは少な くとも成人は、空気、水、野菜を摂取を 続けても、有意の健康障害が増加することは殆どないのでは?
※参考
Ci=キューリー、bq=ベクレル μ(マイクロ)=10-6 m(ミリ)=10-3
1μCi=37Kbq=37×1000Bq

もとに戻る