PPIと抗血栓薬併用の是非
Nikkei Medical 2011.04
・2009年11月、FDAがクロピドグレル(プラビックス)とオメプラゾールの併用を避けるよう勧告
オメプラはクロピドグレルを活性体に変換する肝の代謝性酵素チトクロームP450(CYP)を競合的に阻害
薬剤溶出ステント(DES)留置患者ではクロピドグレルとアスピリンの併用を推奨
 ・上記患者ではアスピリンの副作用(消化管出血)防止のためPPIが使われている
・2010年11月N. Engl. J. Med. 2010;363:1909-17の報告では両者併用で影響はなかった
・CY2C19には遺伝子多型あり、代謝能力に個人差が大きい
 ・日本人ではEM型(extensive mrtabolizer)が40%未満、IM型(intermediate metabolizer)40%以上、PM型(poor metabolizer)は約20%
 ・白人ではEM型が70%以上
・EMでのPPIによる抗血小板作用への影響は大きくない Br. J. Clin Pharmacol. 2010;70:383-92
・消化管出血のリスクの高い患者ではPPIを使用すべき
H2ブロッカーを使用してよいのではないか
・心血管イベントよぼうのためには血小板凝集能がどの程度ならいいのかという日本人でのデータがない
血小板凝集能を見ながらPPIの併用薬を決めるのも一つの手段


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