米国の医学生として帰国し、母国の医療に驚き Nikkei medical online 2011. 4. 21 |
・日本人で12歳から米国で過ごし、現在はアメリカで救急と内科のダブルレジデントの感想。 ・アメリカの医学部4年生には、数カ月間、自由選択の実習がある ・都内の病院4カ所を、3カ月かけて回った。 ・お国柄や保険制度の違いが医療のプラクティスを大きく変えている ・アメリカでは考えられないこと、驚いたこと ・正月に家に帰る入院患者? ・軽症入院患者の多さ、患者が病院の中をパジャマ姿で歩き、コンビニに行ったりテレビを観たりと動き回っている。 ・アメリカの大学病院または現在勤務する病院では、1人で歩いている患者はいない。 ・アメリカで廊下を歩いている患者は、理学療法士といっしょにリハビリしている患者 ・不満を持ち医師に抗議するため部屋から出て来た人 ・薬物・アルコール依存症や精神疾患で看護師の眼が届くところまで出されている人 ・アメリカでは、入院患者は安全のために「見張り係」の看護助手が付いている ・患者を1人歩かせて事故になると、訴訟に発展する可能性が高いから ・入院の必要性のない患者が、日本ではとても多い ・若年者の肺炎はアメリカでは、よほどのことでない限り外来治療 ・手術の数日前から検査のための入院はアメリカではあまりない ・入院に対する概念が、日本とアメリカの医療では根本的に違う ・アメリカの医療者はとにかく入院日数を減らそうとする。 (1)不必要な入院をさせると入院費が病院負担となる ・保険会社や公的保険が「不必要な入院」と判断した場合 ・病気に応じて規制されている入院日数を超えた場合 (2)入院日数が長いほど悪いこと(院内感染や事故)が起こる確率が高い、 (3)軽症患者の入院は病院の限られたリソースの無駄遣いになる ・医療のスタンダードが違ってもお正月だから家に帰るというくらいなら入院しなくてよいのでは? ・アメリカとはあまりに異なる状況に、本当にびっくり。 ・午後の外来50人、そんなに診られるの? ・アメリカでは勤務医でも開業医でも、外来で診る患者は1日40人が限度。 ・アメリカでの外来は初診なら30分、再診なら15分 ・看護師などと役割分担して診察してすべてを細かくカルテに記入すると、15分以上かかる ・そんなにたくさんの患者を、どうやって診るの? ・早く来た人から順番札を取って待っている。 ・「1日の診察時間中に来た患者をすべて終わるまで診る」。このシステムに度肝を抜かれた。 ・病院数・ベッド数(対人口比)が非常に多い日本でなぜこんなに病院の外来が混むのか? ・何もこんなに混み合っているところに来なくてもよいのでは? ・外来診察をその日のうちに終わらせる方法は? ・バイタルを取りながら話を2分ほど聞き、ほとんど診察なしのまま薬を処方 ・アメリカでは、保険会社に初診の請求をするとき、最低限の病歴や診察所見が記録されてないと全額の支払いを受けられない ・日本の患者の受診理由は薬を処方してもらうため ・日本では3カ月分以上の処方ができないと聞いてびっくり ・「先生、最近ちょっと息苦しいときがあるんだけれど」 ・「おばあちゃん、年なんだから、あんまり無理しないようね」と問題の追究なし ・明日にでも何かあったらどうするのか? ・この外来診療では、重大な疾患を見逃がさないのか? ・安全性が心配。 ・アメリカの医療の安全性にも問題点はあると思う ・訴訟防止の意味もあり、医師はきめ細かく診察して会話をカルテに記載するのが当たり前 ・少しでも気になることがあれば、答えが出るまで追究することが日本より確実に多い ・もっとも、これには良い面も悪い面もある。 |
私見) 日本の医療事情で驚くなら、東南アジアにも行って経験したらどうだろうか?もっと驚くのではないだろうか? 東洋医学などを学んでみたらもっと驚くだろう。 なんでもかんでも米国をスタンダードにする悪い癖・・・。 しかし、何年かしたら日本も米国と同じになるのだろうか? |