インクレチン関連薬の膵炎、腫瘍リスク
Medical tribune 2011.04.28
・Gastroenterology2011年2月18日、オンライン版のM.Elashoff氏発表の論文
・この論文はFDAの有害作用情報を元にしている
 ・この情報は正確性に乏しい
 ・薬剤と有害作用の因果関係は必要としない
 ・すべての有害作用が報告されていないことなど問題が多い
 ・以上より有害作用の発生率の計算に使用することはできない
・最初からFDAによってこの論文の方法論は許容されていないもの
・最近、この論文は撤回された
・MT pro 2011年3月3日掲載記事『インクレチン関連薬の膵炎・腫瘍への有害性・・・』『不可解な再掲載,インクレチン関連薬と膵炎・腫瘍、そのまま受け止めてよいのであろうか?』
・仮説の立て方に問題
 ・膵がんは膵炎の結果として生じるという前提仮説
 ・インクレチン開始時期初期に膵がんが見つかったものは本薬とは無関係→発症時期に関する考慮がされていない
 ・副作用報告で膵炎の診断基準を完全に満たしていないもの報告されている(血中アミラーゼだけの上昇例)
 ・膵炎があってもアミラーゼの測定がないため報告されていないものもある
 ・併用薬についての検討がされていない→メトホルミンの併用が多い
 ・メトホルミンの有無でシタグリプチンの膵外分泌線への影響が異なる(Diabtes 2009;58:1604-1615
・インクレチン関連薬の安全性については重要だが膵がんのリスク増加については根拠に乏しい


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