1120:放射線被ばくに対する最新治療−第10回日本旅行学会− 2011.06.16 Medical Tribune |
・フランスは電力の75%を原子力、58基の原発を保有 ・被ばく事故に対する緊急対応、治療経験が多い ・パリのパーシー国防省病院には放射線被ばくセンターがある ・産業被ばく災害患者を海外からも受け入れている ・放射線の局所被ばくによる熱傷は放射線の種類、到達した線量により異なる ・温熱熱傷と異なり、深部損傷が強く、強い痛みを伴う ・被ばく線量に応じて紅斑から湿性表皮炎、壊死を生じる ・慢性再発病変では放射性壊死を起こし、悪化と改善を繰り返す ・全身被ばくではγ線、中性子線などの透過性放射線が幹細胞、前駆細胞を障害 ・全身症状→皮膚症候群、血液症候群、消化器症候群 ・1〜12Gyの被ばく線量は治療域 ・10Gy以上の被ばくで骨髄機能は回復不能→造血不全による出血、感染で死亡、骨髄機能不全で死亡 ・被ばく時の放射線の流れで線量の不均一性、皮膚からの吸収率の差がある ・残存骨髄機能をいかに回復させるか、2次性の臓器病変、多臓器不全を防ぐか ・パーシー国防省病院での治療経験 ・放射線性壊死に対する新しい治療 ・線量測定ガイド下で被ばくの到達深度と線量を測定し壊死切除範囲の決定 ・切除後、骨髄を採取して体外で増殖させ、自己間葉系細胞を局所に注入 →間葉系細胞の抗炎症作用とサイトカイン供給作用組織修復を促進 ・ARS(急性放射性症候群)に対する治療 ・線量測定プローブによる物理学的線量測定、染色体形状検査で細胞遺伝学的線量の測定 ・被ばくの均一性の程度の評価 ・重症度を判定し、治療法を選択 ・自家移植よりサイトカイン、同種造血幹細胞移植が基本 ・重度の骨髄形成不全の治療 ・空気層流、水分補給、輸血、感染予防(一般的治療) ・エリスロポイエチン、顆粒球コロニー刺激因子によるサイトカイン療法→残存骨髄の刺激 ・骨髄無形成が持続する場合は同種造血幹細胞移植 ・今後、臍帯血による骨髄移植も |