1121:救命救急医は急性脳卒中患者の搬送中に正しい処置を
2011.06.16 Medical Tribune
・救急車の中で行う一次医療について
 ・南ドイツ最新医学会議での発表
 ・急性脳卒中患者のケア
  @脳卒中症状の速やかな確認と対応
  A救急医療サービスへの即時通報(搬送の優先)
  B受け入れ病院への通知
  C受け入れ後の臨床所見、検査所見、画像診断によるトリアージと正確な診断および治療の実施
 ・搬送中はヘパリン、アスピリンの静注、筋注はしない
 ・血圧が180/110mmHg程度の高血圧では急激な降圧療法は行わない
 ・低血糖がないかぎりブドウ糖の静注は行わない
・病院到着まで行うべきこと
 ・神経学的所見とバイタルサインのチェック 
 ・気道の確保、必要に応じて酸素吸入
 ・急激な血圧低下につながる操作は回避
 ・低血圧であれば輸血を行う(※私見:救急車の中で輸血が行えるのか??)
   ・場合によってはアドレナリン、ノルアドのみ投与
・病院到着後
 ・血糖が200mg/dl以上ならインスリン投与
 ・体温が37.5度以上なら解熱処置
 ・画像診断は病院到着後30分以内に施行し、45分以内に診断
 ・血栓溶解薬の静注は病院到着後1時間以内にがドイツのガイドラインで推奨
  ・最善の予後を得るには発症後3時間から4時間半までに 
 ・血栓溶解剤の禁忌
   ・80歳以上と18歳以下
   ・重度の高血圧(収縮期185mmHg以上、拡張期110mmHg以上)
   ・過去3ヶ月以内に脳卒中を起こした患者
   ・3週間以内に大手術を受けた患者で抗凝固療法が奏功している患者
   ・ヘパリン投与中
   ・血小板10万以下
 ・世間では血栓溶解療法を行えばすべて治るという誤解がある

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