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・JAMA 2011;305:1777-1785 ベルギーのルーベン大学Jan A. Staessen教授 ・欧州の地域住民を対象としたコホート研究2件(1985〜90年と1999〜2011年) ・24時間の尿中Na排泄量別に心血管系(CV)死亡の発生を比較 ・Na排泄量の少ない群でCV死リスクが高い ・Na排泄量が低い2型DMでCV死が多い(Diabetes care 2011;34:703-709) ・T型DMではNa排泄量の多少に関係なく生存率が低い(Diabete care 2011;34:861-866) ・減塩によるCV抑制効果に疑問があると批判 |
・滋賀医科大学生活習慣病予防センター 上島弘嗣特任教授が反論 ・開始時期が10年以上異なる2集団は個々に解析すべきである ・男性の方が24時間尿量が多くなるのに女性の方が多いのもおかしい ・蓄尿量2500ml以上は捨てられており、尿量測定が正確ではない ・対象者の研究に対する認識が低い ・食塩摂取量が多い集団で循環器疾患の発症(特に脳卒中)が多い(Cochrane Database Syst Rev 2004;(3);CD004937) ・15年間の調査でNa摂取量が多いと死亡率が高い:米国の第V次国民保健栄養調査(Arch Intern Med 2011;171:1183-1191) ・長期の減塩が循環器疾患に及ぼす影響を見るには減塩の長期維持と大規模な集団での研究が必要 ・高Na摂取減塩、高食事カロリーなどの割り付けをするのは極めて困難 ・現在まで得られた医学的知見を総合して判断すべき ・日本では10g以上の減塩で収縮期血圧が10mmHg低下したことが実証済み ・1つの報告で減塩効果のエビデンスがひっくり返ることはない |