注射や穿刺による感染リスクの管理
medical tribune 2012.03.29
・Hygiene aund Medizin 2011;36:454-462
・注射・穿刺の感染リスク
 ・注射剤の調整時、薬剤の吸い上げ時、刺す際の衛生条件、施行者の経験量に左右
・十分な作業スペースの確保
・作業スペースの清掃、消毒が簡単に行えること
洗面台から十分離れていること(水しぶきが飛ばない)
・器具を作業台に置くときは作業面を滅菌カバーで覆う
・注射剤は使用直前に調整する
・注射剤に不溶性異物や変色が見られたら使用してはならない
・ゴム栓面は穿刺前にアルコールで消毒
・吸い上げる注射筒は毎回新しいものを使用
・使い捨ての針を容器にさしたままにしない
・容器には使用開始日と使用期間の記録
・膿瘍などの場合を除き、穿刺部に炎症病変がないこと
・穿刺部の消毒はメーカーの指示する最低作用時間を守る
・マスク・ガウンの着用の必要性は穿刺の種類と患者のリスク(免疫抑制患者など)で決定する
・注射・穿刺についてのマニュアル作成を推奨
 
感染リスク 注射・穿刺の種類 綿球の種類 保護具
感染リスクが極めて低い 注射(皮内・皮下・筋肉) 清潔な新しい綿球 必要なし
静脈注射(末梢) 清潔な新しい綿球 清潔な新しい手袋
採血(カニューレまたはランセット使用) 清潔な新しい綿球 清潔な新しい手袋
感染リスクは極めて低いが、文献で重篤な感染症を引き起こしたケースがまれに報告されている 持続皮下注射 滅菌綿球 清潔な新しい手袋
筋肉注射(リスク患者、コルチコステロイドもしくは組織毒性のある薬剤の投与) 滅菌綿球 清潔な新しい手袋
皮下埋め込み型ポートへの穿刺 滅菌綿球 滅菌手袋
膀胱穿刺(診断のため) 滅菌綿球 滅菌手袋
胸膜穿刺もしくは腹水穿刺(診断のため) 滅菌綿球 滅菌手袋、マスク
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