皮下輸液の止めどきは?
Niikei Medical 2012.03
・皮下輸液にはどんな薬剤を混注しているのか?(日本在宅協会会員へのアンケート※日在医会雑誌、2011;12(2):101-105)
 ・ステロイド
 ・抗菌薬
 ・総合ビタミン剤
 ・利尿薬
 ・ファモチジン
 ・メトクロプラミド(商品名プリンペラン)
 ・ジプロフィリン
 ・向精神薬(ハリペリドールなど)
 ・鎮痛薬(塩酸モルヒネなど)
 ・オクトレオチド
  ※商品名サンドスタチン:消化管外分泌の抑制作用,水、電解質の吸収促進作用あり,癌終末期患者の消化管閉塞症状に有効
・薬剤を混注した場合の副作用
 ・刺入部の発赤
 ・刺入部の硬結
 ・刺入部の疼痛
 ※すべて軽微
 ・高度な副作用は見られず
・皮下輸液は末梢静脈輸液の一種と考えるべき
・本来補給できるのは水分と電解質でカロリーは極めて少ない
・一度開始すると止めにくい
・アンケートでの皮下輸液の期間は平均30±58日
 ・認知症がもっとも長く平均64日(食べられないケースに行っている可能性)
 ・癌、脳血管障害、老衰で20日前後
・米国静脈経腸栄養学会(ASPEN)のガイドライン
 ・末梢静脈輸液は60日未満の短期(栄養補給として)
 ・皮下輸液に関する記載なし
・1日500ml+140mlのスポーツ飲料で6ヶ月管理できた症例もある
 ・皮下輸液は経管栄養、IVHに匹敵する延命治療となり得る可能性あり
皮下輸液をいつ、どのように中止するのか?
 ・一部ケースでは経管栄養の検討
 ・摂食機能評価とリハの施行による嚥下機能の回復を期待
・皮下輸液での延命が本人の望むとことなのか→倫理的な問題
・延命治療を希望しないというケースに対して中止のタイミングを見つけられず、続けているケース
・中止すべきケースとして
 ・吸収されず浮腫が強くなる
 ・気道分泌物の増加
 ・心不全の悪化
・皮下輸液が患者に苦痛を与えていないか観察を十分に行うべき
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