なつめぐ中毒
Medical ASAHI 2012.2
・自殺目的で大量のなつめぐを食べた中毒例
・なつめぐはニクズクの種子で香辛料、日本には1848年に渡来
・多くの漢方薬に配合されている(二神丹、六君子湯など)
・肉の臭みをとるために使用したり、ケーキなどの菓子の風味付けに使用
・一般には粉末で販売されており、容易に入手可能
・中毒例
 ・日本での中毒例の報告は2〜3例(日臨救医誌7:271-272,2044、臨床精神医学10:1403-1405,1981)
 ・スエーデンでケーキのレシピの記載ミスで、なつめぐ2個を20個と記載したため4人が中毒
・経口摂取後、約1〜8時間で症状発現
 ・めまい、興奮、幻覚脱力感等の神経症状
 ・頻脈、低血圧等循環器症状
 ・不規則呼吸
 ・顔面紅潮、唾液分泌低下等の抗コリン作用(アトロピン中毒と間違える)
・中毒量
 ・なつめぐ5〜15gの経口摂取
 ・最小致死量はなつめぐ2個
 ・種子より粉末の方が毒性が強い(茶さじ9杯/日で中毒症状が出現した例)
 ・小児では14gで死亡例
・中毒時の治療
 ・一般的な治療:補液、胃洗浄、活性炭・下剤投与
 ・呼吸、循環管理、鎮静などの対症療法
・神経症状は24時間くらい続く
・なつめぐを麻薬、覚醒剤等の代用に使う例→脱法ドラッグ
バナナの皮、レタス、麻黄、パセリ、ベヨーテ(サボテン)、メース(ニクズクから作る香辛料)にも多幸感、快楽、幻覚作用
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