肥満パラドックス(obesity paradox)、循環器疾患は肥満が長寿?
Nikkei Medical 2012.05
・肥満は交感神経を活性化し、糖尿病、脂質異常、高血圧、心肥大などを起こす
・従来、BMIが低い患者は、栄養障害と炎症、動脈硬化が起こりやすく、その結果、心血管イベントの発生を増加する
・2007年4月〜11年3月に慈恵医大附属病院で心不全患者219人を対象で調査
 ・BMIが高ければ心不全イベントが少なく、BMIが低いとイベント数が多い
 ・欧米でもでBMIが高い方が心不全や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予後が良いという報告
 ・肥満や脂肪細胞に抗心不全効果あるのか?
・成人90万人の調査ではBMIが24前後が理想的でそれより低すぎても高すぎても予後不良
 ・日本ではBMIが35以上の肥満者は少ない
 ・日本ではBMIが24前後は肥満群に分類される
 ・BMIが極端に低い群と比較してしまうと、肥満患者の予後が良いという結果になるのではないか?
肥満パラドックスの解釈(予後が良い理由)
 ・BMIが高値群は若年で合併症も少ない、BMIが低い群は高齢で合併症が多い
 ・肥満患者の心不全は早期に発見され、BMIが高値群は軽症例が多い
 ・肥満の心不全患者では高血圧があり、薬剤投与が十分行われている
もとに戻る