褥瘡の陰圧医療法 
『難治性潰瘍 創を陰圧に保ち治癒を促進』 日経メディカル 2009. 11. 13
宝塚市立病院(兵庫県宝塚市)形成外科部長の黒川正人氏
・「陰圧閉鎖療法」が難治性潰瘍の治癒を促進するということで最近注目されている。
・創面を被覆材で閉鎖し、内部を吸引して創面を陰圧にすと治癒が促進される
・促進される理由
 (1)機械的刺激により血流が増え、良い肉芽が形成され、創面が活性化する
 (2)余計な滲出液を吸引し、適度な湿潤環境が保たてれる
 (3)吸引により物理的に創が縮小する。
・吸引機器として、ポータブル型のVacuum Assisted Closure(VAC)システムが使用
・機器本体が数百万円と高く、創に当てる専用スポンジも高いのであまり普及していない。
・黒川Drが安価で誰でも行える簡易式の陰圧閉鎖療法で褥瘡治療を行っている
・「ハイドロサイトAD」や「メピレックスボーダー」などの被覆材を使用
・カテーテル挿入部からの空気漏れを防ぐのがポイント
 ・入れ歯用の固定剤を使用すのもよい。
 ・被覆材の中心部の凹みがなくなったら、デイスポ注射器を引いて陰圧に戻す。
・注射器内に滲出液が溜まったら捨てる。
・被覆材は、滲出液で汚染したら交換する。
・費用は1300〜1700円程度(安価)
・VACシステムは感染創には使用しにくい
そのほか(久留米大形成外科教授の清川兼輔氏)
 ・スポンジに口・鼻腔用吸引用カテーテルを2本挿入
 ・フィルム材で閉鎖
 ・片方から生理食塩水を持続的に点滴しながら、もう一方から持続吸引器で吸引
 ・1週間に2回程度スポンジの交換
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