今知っておきたいインフルエンザ 2012.11.01別冊ASAHI MEDICAL
●インフルエンザワクチンのindirect protection
・高齢者、基礎疾患を有するハイリスク患者に対してのインフルエンザワクチン接種でインフルエンザ関連死亡(超過死亡)は低下しなかった
・高齢者ではワクチンによる重症化予防には限界がある
・日本で学童の集団予防接種で高齢者の超過死亡が低下した(2001年NEJM)
  ・1970年、1980年と1990年代の超過死亡比較で集団接種中止後、高齢者のインフルエンザ死亡が増加
・学童に予防接種を行って高齢者を守る→Indirect Prortection
・学童集団接種中止時期に1歳〜4歳のインフルエンザ脳炎、脳症が増加した
・幼児に対してもIndirect Prortectionの効果がある
インフルエンザに対してStay Home
・欧米ではインフルエンザに対しては『Stay Home』
 ・抗インフルエンザ薬ほとんど使わない
 ・英国で2009、2010の450例の死亡、日本の4〜5倍の死亡率(5歳から64歳)
 ・第3波では600例の死亡
・同時期の日本でのH1N1/09の罹患者は2200万人で死亡は198例
 ・第3波では死亡は数十名
 ・英国の8〜10分の1の死亡率
・日本での死亡例が少なかったのは抗インフルエンザ薬の効果ではないか
 ・約90%の症例が48時間以内に投与されていた
・米国での ICU入院患者での抗インフルエンザ薬使用の効果(Louie JK et al:Clin Infect Dis, 2012)
 ・発症4日目から投与で生存率75%(1260/1676)
 ・使用なしで生存率58%(107/183)
 ・48時間経過しても抗インフルエンザ薬に効果がある
・抗インフルエンザ薬の早期投与で死亡が著明に減少している(世界との認識にかなりの差)
 私見)子供に家でじっとしていろと言って聞く子供はどれくらいいるのだろうか?
中学生くらいなら,学学級閉鎖になったらゲーセンに行くのもいるだろうし。
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