小児喘息にボスミンは使わない
m3comカンファレン ス2013.0.713
【カンファレンス要約】
・小児気管支喘息治療・管理ガイドラインでは、副作用の発現が高率なので小児にはアドレナリンは投与しないと書かれている。
昭和40年当時はボスミンの注射が基本で、体重1kgあたり0.005mlを注射していた
 ・β2選択性が低いので、α作用により、顔面蒼白、嘔気、頻脈などの副作用
 ・β1作用で酸素飽和度が落ちることがあり
 ・しかし、即効性はあり
アナフィラキシーでは絶対必要な治療
・喘息でも緊急性が高い症例では、アドレナリンを必ず筋肉注射(即効性を期待)
 ・アドレナリンの投与量の間違いは致命的(急速投与で不整脈の誘発)
・1980年の小児科の Bed-Side MEMO(第4版)の気管支喘息発作の治療では
  ・1000倍エピレナミン0,005ml/kg(15分ごと3回まで)皮下注
喘息にボスミン皮下注がガイドラインから消えた理由は?
 ・喘息発作時で低酸素血症がある状態でボスミン注射すると、心拍数増加による心筋酸素消費量を増大させる
 ・そのため発作時はむしろ禁忌となった。
食物アレルギーのアナフィラキシーショックにエピペンは問題ないのか
 ・アナフィラキシーはアレルギーによる粘膜の浮腫。喉頭浮腫と血圧低下が最大の問題
  ・ボスミンの”筋注”が唯一の初期治療
 ・喘息はアレルギー+炎症で、下気道の攣縮
  ・気管支拡張薬+点滴が初期治療
アナフィラキシーで”皮下注”効きが遅いので絶対に筋注
・アナフィラキシーでもチアノーゼや喘鳴があるが喉頭浮腫らしくないものにはβ刺激薬の吸入は効く
・ガイドラインはあくまでも指針である
 ・ボスミン皮下注射は極めて有効
 ・0.005ml/kg(MAXでも0.2ml、小学生なら0.1ml程度)で中等症の喘息がよくなった経験
 ・気管支拡張剤の吸入を繰り返して、軽快せず入院というのは困る。
 ・注意は必要
  @心疾患や不整脈がないか
  A一時的に顔面蒼白や吐気があると患者に事前説明 
  B乳児には使用しない、
・β2刺激剤、ボスミンは気道の狭窄を広げるだけで根本的な治療ではない
 ・吸入で改善しない、発作が繰り返すときは、りステロイドを使って気道炎症を抑える
 ・β2吸入剤で見かけ上の気道狭窄を改善するだけで喘息を悪化させる可能性
 ・β2刺激剤の内服は即効性がない
 ・ボスミン皮下注は専門医が重症の患者において使うのはあり
 私見)
やらんほうがいいというのなら、やらないほうが無難。
訴訟になればガイドラインが持ち出されるのは必至、裁判官はしろうとなのでガイドラインを重視するだろう。
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