抗菌薬のPK/PD
2013年8月23日 m3com
・PC、セフェム、カルバペネム系の場合はMIC以上の血中濃度を保つこと
・半減期が3時間のセフェム系の抗菌薬を1日3回の場合は、MIC以下に下がるのは2-3時間
・同量を1日6回投与した場合、ピーク濃度は下がるが常にMIC以上の血中濃度を維持できる。
・細菌性心内膜炎でペニシリンGを点滴で使うが、ペニシリンGは血管痛が出やすい
 ・1日6回で分割投与するのを1000mLに溶解し24時間で点滴する方法もある。(血管痛が少ない)
略号 商品名 一般名 分類 排泄
CMZ ピレタゾール、セヒメタゾン セフメタゾール 第二世代セファマイシン
CTX クラフォラン、セフォタックス セフォタキシム 第三世代セファロスポリン
CTRX セフトリアキソン、ロセフィン セフトリアキソン 第三世代セファロスポリン 肝 
CAZ セフタジジム、モダシン セフタジジム 第三世代セファロスポリン
CPZ/SBT ワイスタール、スルペラゾン スルバクタム/セフォペラゾン 第三世代セファロスポリン
CFRM  セフェピム、マキシビーム セフェピム 第四世代セファロスポリン 腎 
CPR  セフピロム、ブロアクト、ケイテン セフピロム 第四世代セファロスポリ 
・抗菌力
グラム陽性菌:第4世代>第1世代>第2世代>第3世代
グラム陰性菌:第4世代>第3世代>第2世代>第1世代
ニューキノロン、アミノグリコシドは濃度が高いほど効果がある
 ・強力なパンチを一発加える方が効果的な抗生剤
 ・クラビットは500mgを一日1回投与に変わった
抗MRSA薬バンコマイシンの使い方
 ・生食100ml+バンコマイシン0.5gに溶いて、1時間以上で点滴
 ・1時、7時、13時、19時の1日4回(2g/day)
 ・短時間点滴でレッドマン症候群が出現する可能性あり
 ・バンコマイシンは、治療域と中毒域が狭いので薬剤血中濃度測定が必要
 ・目標トラフは10μg/mL以下(重症例は10-20μg/mL)
 ・中毒域はトラフ30μg/mL以上。 
  注)採血のタイミング
抗生物質名  採血時期 ピーク  トラフ
バンコマイシン  投与開始3〜4日め 点滴終了後1〜2時間   次回投与直前
ゲンタマイシン
トブラマイシン
アミカシン
 投与開始2〜4日め 筋注:投与後30分〜1時間
点滴静注:終了直後
 次回投与直前
アルベカシン  投与開始3日め 筋注:投与後30分
点滴静注:終了直後
  次回投与直前
テイコプラニン  投与開始4日め 点滴終了後1〜2時間  次回投与直前
※残留薬物の混入を防ぐため、注入部位の反対の腕から採血
トラフ値:定常状態における薬物の次回投与直前に測定された最低血中濃度
ピーク値:薬物の単回/連続投与後の最高血中濃度
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