健康食品による健康被害 |
厚労省、日本医師会、国立健康・栄養研究所 |
健康食品の問題点
・行政のチェックで違法性がなければ『健康食品』として市場に流通
・医薬品とみなされる範囲
医薬品成分の含有 |
形状及び用法用量の如何にかかわらず、医薬品とされる成分本質が配合また
は含有されている場合は原則として医薬品とする。 |
効能効果の表示 |
医薬品とされる成分本質が配合または含有されていない場合であっても、効
能効果、形状、用法用量が医薬品的である場合は原則として医薬品とみなす。 |
・健康食品の形状と医薬品としての判断
医薬品と判断される形状 |
アンプル、舌下錠、スプレー管に充填した液体を口腔内に噴霧し、粘膜から
の吸収を目的とするもの等 |
「食品」と書かれていれば 「医薬品」と判断されない形状 |
ソフトカプセル、ハードカプセル、錠剤、丸剤、粉末(分包されたものを含む)、
顆粒(分包されたものを含む)、液状等 |
・2004年から2008年の違法製品の摘発理由の88%は医薬品の混入
強壮・強精 |
シンデナフィル、タダラフィル、これらの類似化合物 |
肥満抑制 |
シブトラミン、N-ニトロソフェンフルラミン、甲状腺粉末、エフェドリン、
センナの小葉、ヒドロクロロチアジド、プロセミド、フェノバルビタール、マ
ジンドール、フェノールフタレイン、ヨヒンビン、ブメタ二ド(ルネトロン) |
血糖 |
クリベンクラミド |
関節やリウマチ |
デキサメタゾン、インドメタシン、プレドニゾロン、メフ工ナム酸 |
|
・健康食品と医薬品の主な違い
|
医薬品 |
健康食品 |
製品の品質 |
同じ品質のものが製造・流通するようになっている。 |
「同じ名称」でも全く品質の異なるものが存在している。 |
科学的根拠の質と量 |
病者を対象とした安全性有効性の試験が実施されてlいる。 |
試験管内実験や動物実験が主体であり、病者を対象とした試験はほとんど実施されていない。
安全性試験があったとしても対象は健常者である。 |
利用環境 |
医師・薬剤師により、安全な利用環境が整備されている。 |
あくまで食品の一つであり、製品の選択・利用は消費者の自由 |
|
・健康食品関連の製品による主な有害事例(医薬品成分の添加事例は除く)
製品 |
症状 |
被害報告(発生国) |
原因物質 |
クロレラ |
顔、手の皮膚炎 |
1978・1994年(日本)
1981年に厚生労働省
から注意喚起 |
光過敏症の皮膚炎を起こすフエオフオルパイドが製品中に多量に含まれていたことが関連。 |
L-トリプトファン |
好酸球増多筋痛症候群 (死亡例あり) |
1990年(米国) |
トリプトファン製品中の不純物・過剰
摂取ならびに利用者の体質が被害に関 連したと想定されている。 |
ゲルマニウム |
腎臓機能障害
(死亡例あり) |
1982-1994年(日本)
1988年に厚生労働省から注意喚起 |
腎障害を起こす酸化ゲルマニウムを濃縮ソフトカプセルとして過剰に摂取したことが関連。 |
アマメシバ加工品 |
閉塞性蘭気管支炎 |
1996-1998年(台湾)2003-2004年(日本)
2004年に厚生労働省から注意喚起 |
海外では食材としての摂取経験はあったが、過剰摂取したことが被害に関連したと想定されている。 |
アリストロキア属の植物 |
腎障害、尿路系のがん |
1993年(ベルギー)
1998-2005年(日本)
2000年に厚生労働省から注意喚起 |
アリストロキア属の植物(関木通、広防巳など)には有害なアリストロキア酸が含まれている。 |
コンフリー |
肝静脈閉塞性疾患など |
1978年-1985年(米国)
1976ェ1990年(米国)
1983年(香港)
2003年に厚生労働省から注意喚起 |
海外での被害発生を受けて2004年に注意喚起情報が出された。有害なアルカロイドが含まれている。 |
タピオカ入りダイエット ココナッツミルク |
下痢 |
2003年(日本) |
甘味料のD-ソルビトールの過剰摂取が関連。 |
中国製のダイエット茶 「雪茶」 |
肝障害 |
2003年(日本) |
本来の中国茶の飲用方法とは異なった利用法が被害に関連したと想定されている。 |
スギ花粉含有製品 |
アナフイラキシー |
2007年(日本) |
スギ花粉症患者が、自己判断で花粉症の症状を緩和する目的でスギ花粉含有製品を利用。 |
|
・健康食品に添加されている天然植物と医薬品の相互作用が想定される主な事例
健康食品に添加されて いる天然植物 |
医薬品成分 |
理由 |
影響 |
イチョウ |
抗血小板薬、抗血液凝固薬 |
症例報告有り |
薬効の増強 |
ダイダイ |
カルシウム括抗薬 |
小腸の代謝酵素(CYP3A4)
活性を阻害 |
薬効の増強 |
ノコギリヤシ |
抗血小板薬、抗血液凝固薬 |
症例報告有り |
|
朝鮮ニンジン |
ワルプアリン、ジゴキシン フロセミド |
報告有り 報告有り |
薬効の増強
薬効の減弱 |
ニンニク |
サキナビル、リトナビル
ワルファリン |
報告有り |
薬効の減弱 |
セントジョーンズワート
(セイヨウオトギリソウ) |
インジナビル、ジゴキシン
シクロスポリン、テオフィリン
ワルファリン、経口避妊薬 |
薬物代謝系酵素(CYP3A4、
CYP1A2)を誘導 |
薬効の減弱 |
|
・健康食品に転化されている成分と医薬品の相互作用が想定される主な事例
健康食品に添加されている成分 |
医薬品成分 |
影響 |
ビタミン類 |
ビタミンB6 |
フェ二トイン(抗てんかん薬) |
薬効の減弱 |
葉酸 |
葉酸代謝括抗薬(抗がん剤) |
薬効の減弱 |
フルオロウラシル、
カベシタビンなど(抗がん剤) |
薬効の増強 |
ビタミンK
(青汁、クロレラを含む) |
ワルプアリン(抗凝固剤) |
薬効の減弱 |
ビタミンC |
アセタゾラミド(抗てんかん薬) |
腎・尿路結石のおそれ |
ナイアシン |
HMG-COA還元酵素阻害薬
(高コレステロール血症治療薬) |
副作用の増強(急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症) |
ビタミンD |
ジギタリス製剤(心不全治療薬) |
薬効の増強 |
ミネラル頬 |
カルシウム |
活性型ビタミンD3製剤(骨租軽症薬) |
腸管からのカルシウム吸収を促進 |
ジギタリス製剤(心不全治療薬) |
薬効の増強 |
ビスホスホネート系製剤(骨租繋症薬)
テトラサイクリン系抗菌剤(抗生物質)
ニューキノロン系抗菌薬など(抗生物質) |
薬効の減弱 |
マグネシウム |
テトラサイクリン系抗菌剤(抗生物質)
ニューキノロン系抗菌薬など(抗生物質)
ビスホスホネート系製剤など(骨粗索症薬) |
薬効の減弱 |
鉄 |
タンニン酸アルブミン(下痢止め)
ビスホスホネート系製剤(骨租髭症薬)
メチルドパ(降圧薬)
テトラサイクリン系抗菌剤(抗生物質)
二ユ丁キノロン系抗菌薬など(抗生物質) |
薬効の減弱 |
そ
の
他 |
中性アミノ酸 |
レポドパ(抗パーキンソン病薬) |
薬効の減弱 |
コエンザイムQlO |
降圧薬、糖尿病治療薬 |
薬効の増強 |
|
・健康食品素材と摂取に注意すべき利用対象者の組み合わせ
健康食品素材 |
注意すべき対象者 |
備考 |
ウコン |
胆石など |
病状の悪化 |
鉄含有量の多い素材 |
C型慢性肝炎 |
病状の悪化 |
スギナ |
心臓または腎臓の機能不全 |
病状の悪化 |
アロエ |
妊婦・授乳婦 |
子宮収縮を促進 |
腸閉塞、原因不明の腹痛、虫垂炎
大腸炎、クローン病など腸の炎症を 伴う症状、痔疾、腎臓障害 |
病状の悪化(刺激性潟下作用が
あるため) |
サイリウム |
腸に障害のある人 |
病状の悪化 |
朝鮮ニンジン |
血栓症患者、高血圧症 |
病状の悪化 |
乳がん、子宮がん、卵巣がん、子宮 内膜症、子宮筋腫 |
症状の悪化(エストロゲン様作用
があると思われるため) |
α-リボ酸 |
インスリン自己免疫症候群 |
低血糖発作(有害事例は日本人に
多い) |
|
サイリウム
エダウチオオバコ(枝打大葉子, Plantago psyllium L.)は、オオバコ科オオバコ属の一年草。
ヨーロッパから西アジア地域原産の一年草。花期は晩春から初夏。
種子、種皮は薬として用いられる。
生薬として用いる場合は種小名のサイリウムで呼ばれることもある。欧米では緩下剤として用いられる。
引用:フリー百科辞典WIKIPEDIA《詳細》
※日清食品 トクホヌードル『サイリウム・ヌードル』
α-リボ酸
リポ酸(lipoic acid、別名:α-リポ酸、チオクト酸)は、多数の酵素の補助因子として欠かせない光学活性のある有機化合物である。
日本国内では医薬品の成分としてのみ取り扱われていたが、2004年より一般のサプリメントに配合してよい成分となり、一般販売された。
引用:フリー百科辞典WIKIPEDIA《詳細》
※体脂肪を減らすという宣伝で販売されている |
厚労省食品安全情報 |
戻る |