新型インフルエンザ | ||||||||||||||||||||||||
羽田 囘 著『新型インフルエンザ パンデミックの黙示録』より | ||||||||||||||||||||||||
◎インフルエンザウイルスの貯蔵所 ・1990年代に北大獣医学部の高田礼人、喜田宏氏らにより明らかにされた ・アラスカ・シベリアの湖沼でウイルスが凍結保存されている ・渡り鳥のカモの腸内にウイルスが住み着き、渡りで運ばれていく ・カモが渡っていた先でアヒルや豚など家畜に感染する ・カモでは16H×9N=144の亜型すべてを保有 ◎A型インフルエンザの表面突起、HAとNA ・16種のHと9種のNがある、16×9=144の組み合わせ(亜型)がある ・細胞への進入はHAの役目、外に出るときはNAが役目を果たす ・NAよりHAの変異が激しい ◎スペイン風邪 ・1918年アメリカで豚インフルエンザが大流行 ・豚・馬と人の間で感染が起こる ・1918年ニューヨークからフランスへ向かう兵員輸送船『リバイアサン号』でのスペイン風邪事件 ・9千人の兵士と船員2千人のうち2千人がスペイン風邪に罹患 ・9日間の航海で80人以上が死亡(4%の致死率) ・米国でのスペイン風邪ピーク時のフィラデルフィアで2週間で7500人死亡 ・スペイン風邪の死亡者数は正しいのか? ・当時胸部レントゲンも普及していない時代→診断の不確かさ ・インドの死者数(708万9694人)がかなり死亡者数を上げている→本当にスペイン風邪か? ・スペイン風邪流行した第一次大戦末期の状況では戦死、ただの風邪でも死んだ可能性もある ・スペイン風邪当時に『嗜眠性脳炎(眠り病)』も流行ったが、スペイン風邪に隠されてしまった。 ・スペイン風邪との関連はなかったのか? ・スペイン風邪が嗜眠性脳炎に埋没した可能性? ・アラスカのテラーミッションの永久凍土に埋葬されたスペイン風邪死亡者の遺体の肺から スペイン風邪ウイルスの断片を検出(1997年) ・河岡(ウイスコンシン大学獣医学部教授)氏はインフルエンザウイルスを人工合成(1999年) (リバース・ジェネティックス法) ※逆遺伝学( reverse genetics) ウイルス学の分野では、合成したウイルス核酸を使って、完全なウイルス粒子を人工的に作り出すこと ・2008年カニクイサルでスペイン風邪類似の肺病変作成に成功(河岡氏:東大医科学研究所教授) ・トーンベーカーはウイルスサンプルからスペイン風邪ウイルスの全塩基配列を解読(2005年) ◎新型インフルエンザウイルスとは ・インフルエンザはA、B、Cの3種類 ・A型が一番進化したインフルエンザウイルス ・A型にはH●N●と標記される亜型がある
・今回の豚インフルエンザはH1N1亜型の仲間であるのに新型インフルエンザとしてしまった。 ・予想としては鳥インフルエンザH5N1のはずだったが、外れた。 ・WHOは最終的に豚インフルエンザH1N1をインフルエンザA(H1N1)と命名 ・新型とも新型でないともどちらかはっきりしない ・B型、C型には亜型はない ◎鳥インフルエンザH5N1 ・1997年初めて香港でH5N1の人への感染が発生(18人中6人が死亡) ・養鶏場では高病原性の鳥インフルエンザで鶏が多数死亡(約140万羽) ・人に感染しても鶏のような激烈な症状’(体のあちこちから出血))は起こらないだろう ・当初は『高病原性鳥インフルエンザ』だったが→『鳥インフルエンザ』 ・種を超えて人に感染し、さらに人で高病原性を獲得→パンデミックになる ・鳥はA型インフルエンザのみ保有している ◎弱毒か強毒か ・強毒=高病原性、弱毒=低病原性 ・インフルエンザウイルスそのもには毒性はない ◎インフルエンザワクチンの評価 ・インフルエンザワクチンは抗原を与える能動ワクチン ・B型肝炎ワクチンは抗体を与える受動ワクチン ・生ワクチンと不活化ワクチンがある ・母里啓子(ウイルス学者)氏の意見 ・生ワクチンによる粘膜免疫では分泌型IgA抗体が作られ感染を防ぐ ・不活化ワクチンではIgG抗体が上昇するだけで感染を防止できない ・激しい変異にワクチンはついて行けない ・不活化ワクチンは粘膜抵抗は強化しない(感染防止は出来ない)が、発病したときの重症化を防ぐ ・血中抗体による効果 ・輸入ワクチンの問題点 ・アジュバントとして入っているナノ粒子のスクワレンの副作用 ※1906年に東京工業試験所の辻本満丸によってクロコザメの肝油から発見された。 引用:フリー百科辞典WIKIPEDIA《詳細》 ・保存剤としてチメロサールが入っている ※チメロサール (thimerosal) は有機水銀化合物のひとつ。 殺菌作用が注目され、1930年代からワクチンの保存剤として利用されてきた。 しかしアメリカ合衆国を中心に、水銀による被害と疑われる自閉症患者の事例が報告されるよう になり、1990年代に入るとワクチン中のチメロサールの含有量を低減したり、他の殺菌剤への 転換が進められるようになった。 これはワクチン1本ずつに含まれる有機水銀量はわずかであっても、予防接種を繰り返すことで、 多量の水銀が体内に入ることになるため。 引用【フリー百科事典Wikipedia】【詳細】 ・生ワクチンはロシア(旧ソ連)で研究・開発 ・米国でも研究したが成功しなかった ・日本でも効果は分かっていたが普及せず。 ◎日本人だけがマスクをする ※N95マスク N95とはフィルター自体の性能を示すもので、装着後のマスクと顔との密着性は保証していない。 使用にあたっては、正しい装着を実施する必要があり、サイズの確認のため、最低年1回のフィットテスト が必要で、息の漏れが無いかを確認するシールチェックは、マスク着用の度に行う。 引用【フリー百科事典Wikipedia】【詳細】 ◎ウイルスの大変異→新型→パンデミック ・ウイルス同士の交雑で新しい亜型(新型)が出来る→大変異 ・交雑は豚の体内で起こる ・鳥インフルエンザウイルスが豚で適応し→高病原性に変異→豚から人へ感染 ・鳥インフルエンザウイルスと人の季節性インフルエンザの交雑の可能性 ◎なぜ寒いときに風邪が流行するのか?→分からない ・免疫がないから ・症状がなくても風邪ウイルス抗体が上がっていれば風邪を引いている ・冬と風邪が関係ないデータもある ・オスラーの名言『風邪を治す方法はたったひとつ、大げさに扱わないこと』 ・風邪は鵺(ぬえ)のようで得体がしれない ◎アマンタジンは大した効果がない ・H2以外には効かないのにソ連風邪(H1)、香港風邪(H3)に使われた ・M2蛋白をブロックする(※ウイルスが細胞内で増殖できない) ・1999年のインフルエンザ流行時にもほとんど使われていない |
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◎WHOの新型インフルエンザの、フェーズ分類 |
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◎検疫 クアランティンQuarantine ・イタリア語のクアランタ40に由来する。 ・伝染病の持ち込みを阻止するため、船内に病人がいる場合、40日間港外で待機させた。 ・新型インフルエンザ発生後、日本で346万人検疫したが患者は10人見つかっただけ。 ◎アルフレッド・W/クロスビーとピート・デービスの名著, (西村 秀一 (翻訳) みすすず書房) ・クロスビーの名著:スペイン風邪の詳細な本『アメリカの忘れられたパンディミック』 ※Amazonで売っていました。 ・ピートデービスの『4千万人を殺した戦慄のインフルエンザの正体を追う』 |
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