英国の耐性菌対策
KEY PERSON INTERVIEW 日経メディカル2014.01
・英国主席医務官(UK Chief Medical Officer)サリーディビス氏が2013年11月15日来日した時のインタビュー内容
・CMOは168年前に出来た職種で英国政府の公衆衛生のトップでNation's Doctor国家の医師とも呼ばれる
・2013年9月のCDCの報告では米国での耐性菌感染症が直接原因の死亡は年間2万3000人、欧州では2万5000人
・インド発生のHDM-1(ニューデリーメトロ・βラクタマーゼ)産生多剤耐性菌は3年で世界中に広がった
・製薬会社が1987年以来、新規の抗生剤を開発していないことも問題
 ・インセンティブがない→抗生剤の使用は使っても短期間なので利益が出ない
UK Five Year Antimicrobial resistance Strategy
(1)耐性菌に対する理解を高める
(2)現存する治療法の効果を維持し、適正使用を推進する
(3)新規の抗菌薬、診断薬、治療法の開発を後押しをする
具体策
(1)感染予防・管理の実践
(2)薬剤使用の適正化
(3)専門家の教育・訓練、および一般市民の関わり
(4)新規の抗菌薬、診断薬、治療法の開発
(5)サーベイランスデータへのアクセスと利用
(6)耐性菌研究
(7)国際的な協働
・英国では過去3ヶ月のMRSA感染、クロストリジウム・デフィシル感染の有無について病院名入りでNHS Choicesのウェッブサイトに公開
・さらに、成績の悪い病院は財政面で不利→ペナルティがある
 ※参考)引用 『2013年英国感染管理研修に参加して』三重大 田辺正樹氏
 義務的サーベイランスが開始されてから英国ではMRSA敗血症は減少している。
・今後の目標
 ・抗菌薬の適正使用で耐性化率を減らす
 ・国際的な耐性菌のサーベイランス体制の構築
 ・抗菌薬使用でインセンティブが働く仕組みをなくす
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