死体検案
日経目メディカル 2014.09
・死因不明の死体に対して、医師が死体の外表を検査などして、医学的見地から死因や死亡時刻を推定する行為
パロマガス事件時津風部屋暴行死事件などで検案制度の不備が明らかになった。
・検案を行うのは警察から嘱託された医師(警察医)または一般の医師
・東京23区、横浜市、大阪市、名古屋市、神戸市の5都市は監察医制度があり、監察医が検案の全部または一部を行う・
検案の目的
     1:死亡者の同定
     2:死亡時刻の推定
     3:死亡原因の推定
 ・刺切創口に指を入れるときは刃こぼれが内部にあることがあるので注意
 死体検案で観察する項目
 ・全身の観察(体位、姿勢、栄養状態、うっ血、浮腫)
・個人識別のための特徴(手術痕、刺青、ほくろ、瘢痕など)
・死体の現象(死斑の色や程度、腐敗変色、死後硬直、直腸内温度
 ※死後経過時間早見表は警察官が持っていることが多い。
・局所の観察(頭部・顔面、頸部、胸部、腹部、四肢)
・視診・触診・打診(胸部、腹部、四肢など)
・溢血点の有無
・防禦創の有無
 死因推定のための検査
・穿刺(胸腔、腹腔、心嚢、心臓、膀胱)
 ※後頭窩穿刺液でくも膜下出血の診断
・死亡時画像診断(CT、MRIなど)
 ※骨折と出血の検出にはAiが有用で、病死の30%、外陰死の90%は推定可能
・生化学検査(CRP、HbA1C、NT-pro BNPなど)
 ※NT-pro(BNP前駆物質のN末端)は死後も変化しない
・簡易薬物スクリーニング検査
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