QFTの落とし穴 | ||
2012.11.10 日本内科学雑誌 101(11) | ||
・ツ反の最大欠点 ・BCG菌が結核菌と強い交差反応を示すこと→BCG摂取者に陽性となる ・RD-1抗原をもつM. Kansasii感染症の存在(QFT陽性) ・現在、使われているIGRA(Interferonγ releasing assy) ・T-SPOT TB(Oxford Immunotec):ELISPOT法 ・クオンティフェロンTBゴールド(セレティス) ・『結核菌に感染すると一生既感染状態にとどまる』という常識は覆された。→結核菌の一過性感染もあり得る。 ・結核菌暴露後のQFT陰性者と陽性者の結核発病率には大きな差はない。 ・QFT陽性で胸部XP正常者に胸部CTを行う医師が増加 ・CTで撒布性陰影があれば予防投与→活動性結核に単剤治療は危険(耐性獲得)? ・撒布影が結核ではない可能性? ・感染者のうち乳幼児を除くと発病率は10%前後 ・結核を発病していない60歳代の日本人のQFT陽性率は10~35% 文献1 文献2:結核 79, 200, 2004 ・QFTの活動性結核の感度は80~85%→QFT陰性で活動性結核を否定できない ・QFTは活動性結核の判断の一材料にすぎない。→臨床症状や病歴を重視すべき ・結核病学会は『ツ反2段階法は不正確でQFTを推奨』→結核患者と接触する職場での雇い入れ時の健康診断にQFT検査を ・ベースラインのQFT値を測定を推奨 ・定期健康診断でQFT値の測定を推奨 ・QFT検査を行ってどの程度職員の結核発症が減らせるかは不明 ・」QFT検査の費用は1回4000円→経営的負担になる ・QFTが陽性化したとき、最近の感染(2年以内)とし、潜在性結核とする基準が明確ではない。 ・複十時病院でベースラインQFT陽性者で予防投薬をしなかった63名を追跡したが発病なし ・QFTベースライン値が陰性でも結核未感染とは言えない ・QFTが最初陽性の医療従事者の40%近くがその後陰性化した。 ・医療従事者にはベースライン陰性値の結核既感染者が多く存在する ・毎年健康診断でQFT検査を行う意義があいまい ・QFTの変動幅が不明→カットオフ値を超えたら結核感染か?? ・米国の病院でツ反をQFTに切り替えたら新規感染者が20倍になった。 |
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