便中ヘリコバクタ・ピロリ抗原検査

日経メディカル2015年1月　No.566　p64

〇テストメイト ラピッド ピロリ抗原 ・日本BD（米国多国籍企業ベクトン・ディッキンソン アンド カンパニーの日本支社）発売 ・標的抗原としてH.ピロリの未変性（native）カタラーゼを検出 ・ピロリの菌体内酵素で、H.ピロリが溶菌して排泄され、糞便中に出てくる。 　・休眠中のH.ピロリ（コッコイドフォーム）でも排泄しているので検出可能 ・カタラーゼに特異的に認識するモノクローナル抗体を使う ・ガスター、セルベックス、パリエット錠 を服用していても影響をうけない ・感度　94.9％　特異度　100％　一致率　96.3％

〇Premier Platinum HpSA(median Bioscience社） ・H.ピロリ抗原をポリクロナール抗体で補足するELISA法 ・PPI、ビスマス服用で偽陰性になる 　・服薬中止後、2週間で影響がなくなる ・死菌の排泄が遅れると疑陽性になることあり 〇テストメイトピロリ抗原（わかもと製薬） ・H.ピロリ抗原（カタラーゼ）に対するモノクロナール抗体をELISA法で検出 ・他の細菌と交差反応はない

・ pylori抗 体 は,Campylobacter jejuni, Pseudomonas aeruginosa, Haemophilusinfluenzaeな どの細 菌 と交 叉 反 応 を示 す 。 Johansen HK, Norgaard A, Andersen LP, Jensen P,Neilsen H and Hoiby N: Clin Diag Lab Immunol, 2,149-155 (1995) Cross-reactive antigens shared by Pseudomonas aeruginosa, Helicobacter pylori, Campylobacter jejuni, and Haemophilus influenzae may cause false-positive titers of antibody to H. pylori.

・保険点数は「D012 感染症免疫学的検査※」　糞便中ヘリコバクター・ピロリ抗原　146点 　※免疫学的検査判断料　144点 ・H.ピロリ感染診断の保険適応 　(1) 内視鏡検査又は造影検査において胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の確定診断がなされた患者 　(2) 胃ＭＡＬＴリンパ腫の患者 　(3) 特発性血小板減少性紫斑病の患者 　(4) 早期胃癌に対する内視鏡的治療後の患者 　(5) 内視鏡検査において胃炎の確定診断がなされた患者 　これらに該当しない場合は自費になる。 ・自費で検査してH.ピロリ陽性の時の除菌治療は自費になる。

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