寒いから風邪をひくのか? | ||
m3comカンファレンスより2010/08 | ||
・風邪はウィルスによる上気道の炎症なので、局所の免疫、局所の体温がポイントになる ・体を冷やすと風邪をひきやすくなるのは、体温低下だけでなく ・気道の温度低下によって繊毛運動量が低下し、ウィルスを物理的に排除機能が低下 ・乾燥した空気を吸い込むと粘膜表面が乾燥して白血球の移動度や分泌型Ig Aを初めとする抗体の機能が低下 ・室温と外気温との温度差も自律神経系を撹乱 これらで免疫機能を低下する可能性もある。 ・最近は体温と免疫力に関する本、「体温免疫力」(安保徹)、「体温を上げると健康になる」(斉藤真嗣)、「体温力」(石原結實)など ・科学データに基づく論議が展開されていないという論評あり ・総合的な免疫力を測る指標などはない ・研究に使われる手法は免疫機能の一部を測定しているだけ ・日本人の運動量が減少し、筋肉量が減り、平均体温が以前よりも低くなり、免疫力も低下しているであろう ・具体的な数字に関してはあいまいな点が多い ・この部類の健康に関する著書が、どのくらい科学的証拠に基づいているのか? |
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・南極では寒いが風邪をひかない、体を冷やすことよりもウィルスが存在していることの方が重要 ・体を冷やしたからといって麻疹に2回もかかるわけではない ・大人になって麻疹にかかるのは予防注射で上昇した麻疹に対する中和抗体が減少するから ・風邪をひく重要因子としては、体を冷やすことよりも風邪ウィルスに対する中和抗体が減少していることの方が重要 ・北極圏ロングイヤー市(人口2000人くらい)の調査から、 ・ウィルス感染にはウィルスをうつす人間が必要 ・最初にかかった人に再感染するには、その人の中和抗体が十分に減少することが必要 ・それだけの時間をかせぐには数万人以上の人口と盛んな人の往来が必要 ・人口がなければウィルスは免疫によって死滅する ・体を冷やすことよりも数万人以上の人口の中にいて、いろんな人と接触する機会を持っていることが重要 ・北極圏のスピッツベルゲン島、ロングイヤー市では、11月から4月まで完全に氷に閉ざされ、水路、空路、ともに遮断される。 ・この期間中、風邪や上気道の疾患の流行は全く認められない。 ・5月の開港とともに感冒と上気道炎の患者数が急激に増加する。 ・かぜウイルスなどが島外から運び込まれ、「風邪」や「流感」等が発生する ※WHOの報告 ・低温室に入れた場合、一時的に「かぜ」に似た症状を起こすが、低温よる自律神経系の一過性の反応 |
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・体温が0.5℃低下すると免疫力が35%低下、1℃では40%すると言われている。 ・体温を1℃上げると免疫能が上がると言うが ・体温はどこの体温? ・免疫能をどう評価をしているのか? ・身体のエネルギー量とは何? ・ストレスの関与は? ・体温が1℃低下すると白血球の移動度や総合的な免疫力は30%以上低下する ・ウィルス感染で体温調節中枢の設定温度が高めにシフトする ・「現在の体温は低い」と認識され「悪寒」が生じる ・その寒気を、「体を冷やしてしまったからだ」と一般の人は考える ・高くフトした体温調節中枢の設定温度にしようとして発熱する ・「体を冷やしたから風邪をひいたんだ」と思う。 |
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