接触皮膚炎を起こして円形脱毛症を治す
浜松医科大学病院皮膚科 伊藤泰介講師
日経メディカルオンライン2014/11/6
・従来の円形脱毛症の治療薬
 ・セファランチン(アルカロイドの1種)、グリチロン配合錠の内服、
 ・フロジン、アロビックスなどの外用剤
・脱毛部位に化学物質を塗り、軽いアレルギー性接触皮膚炎を起こさせると2週間ほどで産毛が生える。
・円形脱毛症患者の毛根部にインターフェロンγ(IFN-γ)(リンパ球のTh1細胞が産生)が増加する。
・そのIFN-γでケモカインを誘導し、それによりリンパ球(細胞障害性T細胞:Tc1細胞)が集積する。
・Tc1がメラニン色素などを攻撃し脱毛が生じる。
・接触皮膚炎をを起こすとリンパ球(Th2細胞)、免疫抑制性細胞が増加し、毛根部のTh1細胞やTc1細胞と競合する。
・メラニン色素への攻撃を低下させ、脱毛が抑制される。
・2010年日本皮膚科学会の「円形脱毛症診療ガイドライン」では、推奨度B:行うよう勧められる。
・日常、接触リスクがないアレルギー性接触皮膚炎を誘発薬
 ・スクアリック酸(SADBE)、ジフェニル・シクロ・プロぺノン(DPCP)
 ・SADBEはコピー機やレーザープリンターなどの電子写真感光体の色素染料。
・副作用
 ・重症の接触皮膚炎
 ・蕁麻疹、頭痛、リンパ節腫脹、自家感作性皮膚炎、アトピー性皮膚炎の悪化など
 ・これらも抗アレルギー薬の内服やステロイドの外用でコントロール可能
・費用
 ・自由診療で・無料のところから、3000円から1万円
・治療終了後、重症な人ほど再発しやすい
 ・再度、局所免疫療法を行った場合の有効性の評価はまとまっていない
蛇足ですが、『薬用紫電改』を頭皮につて、頭皮刺激用のブラシを使用して頭皮をたたく、「付けて叩いて300回」というCM(カネボウ化粧品)がありました。
 
薬用紫電改CM
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