1482:ワルファリン服用でPIVKAⅡが上がる
PIVKA2(protein induced by vitamin K absence or antagonist-2)は肝で合成される凝固活性をもたない異常プロトロンビンで、肝細胞癌患者で高値を示すために腫瘍マーカーとして使われる。しかし、肝細胞癌以外の疾患でもPIVKA2が高値を示すことがある。

プロトロンビンの合成には補酵素としてビタミンKが必要でビタミンK欠乏や拮抗作用によってPIVKA2は産生される。

ワーファリンはビタミンKの代謝に必要な酵素を阻害して活性のない凝固因子を増加させ、血栓症を防ぐ。
ワーファリン服用者ではPIVKA2が異常高値を示すことがある。

肝内胆汁うっ滞、一部のセファム系抗生物質や抗結核薬(INH)投与、長期間のIVHでビタミンKの吸収阻害・産生低下しPIVKA2の上昇が起こる。

アルコール性肝障害でも上昇があり、特にアルコール性肝硬変患者の肝癌スクリーニングに使用する際には注意が必要である。

逆に、ビタミンK製剤投与中の肝細胞癌患者ではPIVKA2が低値となる可能性がある。
 もとに戻る