もう我慢がならない事柄 下手でもいいから、読める字を”
        伊東 良則
茨城県 茨城県医師会報  第599号より
日医ニュース 2005.3.20
 本当に、極々少数ではあるが、医師で字が下手というか読めない字を平気で書いてくる、書いている御仁には閉口する。
何とかならないものか。

 特に、患者さんの「ご依頼書」や「ご返事」「診療情報提供書」「診断書」「指示書」なる書類で、まったく読めない字を平気で書いてくる御仁がいることは情けない。
それに、自分の属する科の医学略語を使い放題、当科では何のことやら、さっぱり分からない。

 何も「上手な字・きれいな字」を書いてくれとはいっていない。せめて他人(ここでは、その書類を読む、医師、看護師・放射線技師・検査技師・薬剤師・理学療法士・言語療法士などコメディカルや事務職員)が理解できる字を書いてほしい。何と書いてあるのか他人に聞いても、まったく分からない字で書くのはやめてほしい。

 昔、「俺の字が読めないのか」と上司に叱られたりもしたが、一時代昔ならいざ知らず、もはやこのような事態は考え直していただきたい。

 自分だけしか理解できない読めない字では、処方箋にしろ、指示書類にしろ、医師はともかく、コメディカルの人たちは、「本当にこの字が読めるのだろうか」「薬の名前が間違われないだろうか」などと心配になる。

大変苦労されているのではないかと思うが、他人事では済まされない。

 私は、決して字が上手とはいえないが、他人が理解できるように注意を払って字を書くことにしている。書くのに時間が掛かるが、一文字一文字丁寧に書いているつもりである。

 医療はチームで仕事をするもの。医師一人で治療しているのではない。
何らかの形で他の人たちが医療にかかわっているものである。字は分からなければ意味がない。言葉もそうだが、字≠煦モ思の疎通を図る第一歩である。 (一部省略)

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