味覚障害と亜鉛不足
2005.6.8 府医ニュース 『GENKI情報局』
  「食事がおいしくない」「何を食べても同じような味がする」などと感じたら、味覚障害を疑ってみましょう。
  味覚障害は亜鉛不足、薬や他の病気などの影響によって起こります。

◆味覚障害とは?
 味覚障害とは、食べたものの味がわからなくなったり、味の感じ方がおかしくなったりする病気です。この病気を持つ7〜8割の人が「何を食べても味がわからない」という症状を訴えますが、中には甘味だけ、味だけなど、特定の昧だけがわからないというケースもあります。

 また口の中に何もないのに苦味や甘味、渋みを感じることや、本来の味と違うように感じる場合もあります。また1つの症状だけが現れる場合もあれば、複合した症状が出る場合もあります。

 身体の生理機能が低下してくる中高年に起こりやすい病気ですが、過激なダイエットや偏った食生活を背景に、若い世代にも増える傾向にあります。

◆なぜ味覚障害が起こるの?
 味覚障害の大きな原因に、亜鉛不足があります。私たちの舌の表面には「味蕾(みらい)」があります。
味蕾によって、私たちは味を感じることができます。
味蕾は昧細胞が集まってできていますが、この昧細胞は新陳代謝が活発で、約30日で新しい細胞と入れ替わります。このときに必要となるのが「亜鉛」です。
そのため、亜鉛が不足すると、味覚障害の原因となります。その他、薬や他の病気、ストレスなどによって起こる場合もあります。

◆味覚障害の予防には?
 成人が必要な亜鉛の摂取量は、1日に10〜12mgとされています。日本人の主な亜鉛供給源は米ですが、平均的な和食では9mg程度しか摂取できないと言われています。亜鉛を多く含む貴品は、牡蠣、豚レバー、わかさぎ、ゆで大豆などが挙げられます。肉や小魚には多く含まれていますので、積極的に摂取し、予防を心がけましょう。

 味覚障害は発症後早期に治療を始めるほど治りやすい病気です。
 心当たりがあれば、目鼻咽喉科で味覚検査を行い、早めに治療を受けるようにしましょう。
亜鉛食品の広告(本当に服用していいのかは医師と相談してから)
http://www.iimonokenko.com/kenkoshokuhin/category/ca1005.html
http://www.goken.com/produc/aen.html
http://www.kenko.com/product/item/itm_6841539072.html
http://www.australiakara.com/goods/vm/vm12.html
亜鉛による中毒 http://www.aen-mekki.or.jp/effect.htmより抜粋
 生体に有効ないかなる栄養素、薬物といえども、それが過剰に摂取されれば有害となります。亜鉛においても同様な事が言えますが、亜鉛の毒性は極めて低く、平常の摂取量と、何らかの有害な作用を示すような摂取量との間には広い幅があります。

 人体への影響については、経口中毒と吸入中毒に分けることができます。

(1)経口中毒
 亜鉛の塩類は消化器等の粘膜を刺激して、大量摂取すると致命的な虚脱を招くことがあります経口致死量は、硫酸亜鉛として摂取した場合、5〜15gとされています。

(2)吸入中毒
 産業現場では、金属亜鉛の溶融、黄銅または青銅の鋳造・加工・ろう付け、亜鉛めっき鋼材の溶断・溶接などの作業に際して発生する酸化亜鉛のヒュームの吸入によって発熱症状を招くことがあります。これを亜鉛熱、真鍮熱、金属熱などと呼んでいます。この場合の症状は、吸入後2〜8時間頃に現れる発熱症状で、インフルエンザ様の悪寒を伴い、数時間を経過すればほとんど完全に回復します。

もとに戻る