医療事故・事件届け出
3年連続200件超
昨年立件91件、最多に並ぶ
日経新聞 2006..3朝刊
 昨年一年間に全国の警察に届け出があった医療事故・事件は214件で、3年連続して200件を上回ったことが警察庁のまとめで分かった。統計を始めた1997年の10倍以上という高い水準。一方、警察が昨年、刑事事件として立件したのは91件で、前年と並び過去最多となった。

 医師法は死体に異常がある場合、24時間以内に警察へ届けるよう医師に義務づけている。しかし「異常死の解釈は学会などによって大きく異なるのが現状。福島県立大野病院で妊婦が死亡した事故でも、医師が業務上過失致死に加え「届け出を怠った」医師法違反で逮捕・起訴されたことが大きな波紋を呼んでおり、「異常死」の定義や届け出のあり方が改めて議論になりそうだ。
 まとめによると、97年に21件だった医療だった04年より41件減ったが、03年以降、3年連続で200件台となった。

 昨年中の届け出を、届け出た人・機関別にみると、医師や看護師、事務長などの「医寮関係者」からが177件で最も多く、全体の83%を占めた。次いで被害者、遺族、弁護士ら「被害関係者」の30件、報道などによる「その他」7件となっている。

一方、警察が医療事故を業務上過失致死傷事件として書類送検するなど立件するケースは97年以降、年々増加。昨年は過去最多だった04年と並び、計91件にのぼっている。

 届け出の中には、その後の解剖で病死と判明するなど医療行為と死因の因果関係が認められないものも含まれているが、97年以降9年間の届け出総数1216件のうち、昨年末までに立件されたのは計405件。全体の33%にとどまっており、高度な専門知識が必要となる医療事故捜査の難しさや長期化傾向をうかがわせている。
この記載は誤り、異常死』ではなく異状死』が正しい。

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