bystanderによる心肺蘇生は「心マ」だけでも大丈夫
Nikkei Medical Online 2006. 7. 14
【要約】
ウツタイン大阪プロジェクトによれば1998年から大阪府下の院外心停止症例でbystanderによる心肺蘇生実施率は2〜3割で実施率は低い。その理由として人工呼吸と心マを交互に行うのは手順が複雑なことが原因だろう。また、「特に一般市民は人工呼吸に対して抵抗感が強いからではないか」とも言われている。
同プロジェクトのデータ解析で「心マのみ」でも1年生存率は同等であった。
非心原性心停止患者(肺疾患や脳血管障害など)の生存率はbystanderによる心肺蘇生を行っても低い

非心原性「心マのみ」と「心マ+人工呼吸」による効果の比較(梶野氏による) 
心マのみの蘇生法でも、心拍再開の可能性が高い心室細動の発現率は、人工呼吸を組み合わせた場合と同等だった。
心肺蘇生未実施心臓マのみ心臓マ+人工呼吸
心室細動の発現率
(人/総人数)
2.2%(66/2973) 4.0%(17/415)3.7%(22/594)
1年生存率
(人/総人数)
1.0%(31/2993) 1.0%(4/420) 1.7%(10/603)

ただし、医療機関に搬送された人については心マのみ心マ+人工呼吸効果が完全に同等とは言えない。
bystander:現場に居合わせた人 ,
bystander CPR:現場に居合わせた人による心肺蘇生

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