異状死体の届け出の注意 Nikkei Medical 2006.8 医事紛争対策マニュアル |
【要約】 異状性の判断について ●日本法医学会の考え方・・対象が広い 診療関連の予期しない死あるいはそのような疑いのある死 ●日本外科学会の考え方 説明が十分行われた上で同意書を得て行われた外科手術の結果として、予期された合併症に伴う患者死亡が発生した場合は対象外とする ●日本学術会議の基準 @医療過誤の関与が明白な場合 A医療過誤の疑いが存在する場合 B直接的医療担当者が医療過誤がなく、死に至った経過が合理的に説明できるとする場合で、第3者医師あるいは遺族がその説明に疑義を示す場合。 結論的には少しでも問題になりそうなら異状死の届け出をする。 |
刑事訴訟法第199条 被疑者が罪を犯したことを疑うに相当な理由があるときは裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することが出来る 逮捕は「30万円以下の罰金、拘留または科料に当たる罪については、被疑者が定まった住居を有しない場合または正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る」と定めている。 医師法第33条の2は、異状死体届け出義務に達反した場合、「50万円以下の罰金に処する」と定めているので、住居不定や不出頭でなくとも一般の逮捕の要件(証拠隠滅や逃亡のおそれあり)を満たせば逮捕することができる。 |
●医事紛争予防へのこころがけ 医療訴訟や刑事立件を視野に入れた、カルテや証拠類の現状保存 証拠改ざんなどが認められれば、損害賠償や業務上過失致死傷の問題だけでなく、証拠隠滅などで処罰される危険 ●最近、医道審議会では刑事事件の確定を待たずに審議が行われている。 |