医者の悩み聞きます、患者団体が電話相談窓口
2006.10.13 日経新聞より
 「医療従事者の悩み、患者団体が相談に乗ります」。患者の無理な要求や暴言に悩む医師や看護師が増えているため、患者相談に取り組む特定非営利活動法人(NPO法人)が2006年10月14日から、医療従事者向けの電話相談を実施する。NPO側は「『患者不信』は患者にとっても好ましくない。

医師、看護師らの声に耳を傾け、信頼関係を築くのに何が必要かを考える医者の悩み聞きますきっかけにしたい」としている。

 電話相談を実施するのは「ささえあい医療人権センター」 (COML、大阪市)。1990年8月から患者向け電話相談を始め、これまでに約3万8千件余の相談を受け付けてきた。

 COMLの山口育子事務局長によると、数年前から、この電話相談に医療従事者からの相談が寄せられるようになり、年々増加。最近では全体の約2%を占めるようになったという。

 関東地方の病院が相談してきたのは、高齢の女性入院患者が担当の女性看護師に「尿漏れするのは下手な看護のせい」などとののしり続け、看護師は睡眠剤を服用しなければならないほどの精神的ショックを受けたというケース。ほかにも「患者から暴力を受けた」「治療に不満があると診察費を支払わない患者がいる。どう対応すればよいか」などの相談も目立つという。

 山口事務局長は「相次ぐ医療ミスで患者の医療不信が高まる一方で、一部に医師の説明をすべて疑ったり、看護師に買い物を命じるなどのケースもある」と指摘する。 医師らが萎縮してリスクのある治療を避けたり、患者とのトラブルが多い小児科などの診療科の医師が減るなどの事態を招く恐れもあり、「結局、不利益を被るのは患者。良質な医療の前提となる信頼関係を築くには、医療従事者の不満や悩みも聞くべきだ」と判断。患者団体としては異例の電話相談の実施を決めたという。

 山口事務局長は「悩みを抱えながら相談できずにいる医療従事者は多いるはず。人間同士という原点に戻って、本音をぶつけてほしい」と話している。

 電話相談「医療者のホンネと悩みホットライン」は2006年10月14〜16日の午前10時から午後7時(16日は午後5時)まで、06・6365・6225で受け付ける。
私見)
確かに病院の懇切丁寧な対応に感謝の言葉もなく、苦情ばかりをまくし立てる患者、家族には困ってしまう。医療側にも文句を言える権利も必要だ。

    もとに戻る