療養病床緊急調査
大阪府医ニュース 時事より 2006.11.15より
病床数の内訳は、小規模のところほど総病床数に占める療養病床比率が高い傾向で、
200床以上の病院で療養病床比率は40%、
200床未満の病院では60%、
50床未満では90%
であった。

 医療区分別にみると、
医療区分1の患者は42%、
医療区分2は45%、
医療区分3は13
であった。医療区分1の患者は2万9千人で、そのうち病状不安定で退院の見込みがない者は31%であった。

その理由は「医学管理が必要」「処置が必要」「継続したリハビリが必要」「認知症」などであった。

 退院可能者の70%は在宅受け入れが困難で20%は施設入所待ちであった。在宅受け入れ困難の理由は「家族が仕事・高齢などのため」「独居」「本人・家族が希望しない」「喀痰吸引・胃瘻管理・経鼻経管栄養・留置カテーテルなどの処置ができない」などであった。

 これらから、病状からは退院可能であっても在宅・施設の受け入れ体制が整っていない「介護難民」が約4割あると推定している。

 また医療区分1でも、少なくとも2割は医学的管理が必要であり、医療区分1の妥当性を至急見直すべきであるとした。医療区分1に分類すべきでないと考えられる処置に、
@喀痰吸引
A胃療管理
B経鼻経管栄養
C徘徊・転倒・見守り
D認知症・せん妄
E留置カテーテル
F点滴・注射
G摂食・嚥下障害、食事介助
H褥瘡処置・予防、体位変換 
− などを挙げた。

 1医療機関1カ月当りの診療報酬請求点数を昨年と比べると、7月分では診療所・病院合わせてマイナス10・9%となった。これらのことから、介護関連施設と在宅医療などの受け入れ体制の整備、医療区分の見直し、診療報酬上の措置を要望した。中医協の土田武史会長は、療養病床に問題があるとの認識を示し、今後議論すると述べた。

療養病床の診療報酬改定は、それがどのような影響をもたらすか、十分な検討が全くなされないまま、1月に日本医師会長選挙されることが明らかなるや否や提示されもので、医療機関を大きな混乱に陥れている。これはまさに会長選挙が行われたための合併症であり、この事態を招いたも者の責任は極めて大きい。

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