病院のホスピタリティー
勤務医の窓より 2006.11.29
 医療の質の判断は一般の患者さんにとってはなかなか難しい面もあります。病院の理念がはっきりしていて、医師、看護師、その他病院職員全員が一生懸命に医療に取り組む姿勢が大切と考えます。

しかし、医療従事者の多くが、患者さんへの思いやりの心、すなわちホスピタリティーをなおざりにしていないでしょうか。とりわけ多岐にわたる専門技術者の集まりである病院ではチーム医療が叫ばれていますが、その中心には患者さんがいることを忘れてはなりません。

 専門技術のみが優先して、自分が何のために、誰のために病院で仕事をしているかと、考え直す必要があるのではないでしょうか。病気で困っている患者さんに、何かしてあげたいという博愛・奉仕の精神が忘れられていないでしょうか。

職員全員がもう一度考え直すことで、大きく病院は変われると確信しています。

 医療も商売も、患者さんや顧客を大事にして一番に考えることは変わりません。当院の設立にも寄与した創業者の松下幸之助氏は「お客様大事の心」、近江商人は 「売り手よし、買い手よし、世間よし(三方よし)」という社会奉仕の精神が大切と言っています。我々も患者さんのためにホスピタリティーあふれる医療をすることが社会貢献につながるという理念が大切であると考えています。病院での患者さんの満足度を高めることも必要ですが、その前にホスピタリティーあふれる職員が、満足して楽しく仕事をする従業員満足度を高めることが必要です。

 患者さんに対して物やお金で解決できるような単なるサービスではなく、ホスピタリティーをしていると自慢できるような病院になりたいと考えています。
雑学)
「ホスピタリティ」という言葉。「心をこめたもてなし」という意味。 「ホスピタリティ」という言葉はギリシア語のフィロクセノス(=外来者への愛)の対応語で、hospitalとhotelの同義語だ。そして、語源はhospiceから派生してきた言葉で、hospiceという言葉の語源はラテン語のhospesから来ている。
(インターネットで検索した内容を転載)
私見)DPC導入で切り捨て医療になっている現実はホスピタリティの考えとは開きがあるように感じるが・・・。やはり病院とホテルとは違うように思う。

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