動脈硬化ガイドラインの改訂
Nikkei Medical 2007.3より
要約)
2007.2.4第7回動脈硬化教育フォーラム『動脈硬化性疾患診療ガイドライン2007』
・前回のガイドラインで問題になった『TC高値だけで投薬』という問題点、『診断基準=薬剤治療の開始』と認識している医師が多いという問題点。そうではないことを文言で明確にした。
・診断基準からTCを除外しLDLで評価する。
・高脂血症を『脂質異常症』に改める。
●脂質異常症の診断基準(空腹時採血)
高コレステロール血症TC≧220mg/dl
高LDL-C血症LDL-C≧140mg/dl
低HDL-C血症HDL-C<40mg/dl
高TG血症TG≧150mg/dl
この診断基準は薬物治療開始基準を示すものではない。
薬物治療は他の危険因子を考慮して決定すべきである。
・TCで診断するときは220mg/dl以上を高LDL-C血症の目安とする。
・原則としてLDL-Cで評価し、TCは参考値とする。
・LDL-Cは直接法で測定するか、Friedewaldの式を使う。
・TGが400mg/dl以上の時は直接測定でLDL-Cを測定する。
・日本のようなHDL-Cが高く、低リスクな脂質異常症では強力な脂質低下療法をしなくても冠動脈疾患の一次予防は可能という意見。
・閉経後のLDL-Cのみの上昇女性での冠疾患の発生リスクは低い。薬物治療を勧めるのではなく、食事などで対処すべき。
・危険因子(年齢、喫煙、糖尿病など)の保有状況に応じて冠動脈疾患死亡リスクを評価すべき。

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