2型糖尿病に対する強化療法は本当に否定されたか?
ASAHI Medical 2008.8 特別編集版
・ACCORD試験について2008年2月に米国国立心肺血液研究所が厳格な血糖管理の中止を勧告
・3.5年の厳格な血糖管理で重要な効果はなかった。
・心血管リスクの高い患者では厳格な血糖管理で死亡率が上がった
・HbA1c6%未満の目標を7%〜7.9%(標準治療群の目標値)に引き上げた。
・HbA1cを急激に下げると死亡率が上昇
・強化療法で低血糖を起こした患者で死亡率が高い
 重症低血糖は交感神経を興奮させるため血圧上昇を起こしてプラークの破綻、血小板凝集の促進で冠動脈血栓を招く
・強化療法では体重増加者が多い
 急激に血糖を低下させると肥満や高インスリン血症を助長する
・ACCORD試験ではSU剤とインスリンの併用が多く行われていた
・血糖値の厳格なコントロールは非常に早期の段階で行うべき→進展した動脈硬化には効きにくい
ACCORD試験の強化療法と標準療法の違い(%)

強化療法標準療法
HbA1cの目標値<67〜7.9
試験終了後のHbA1c値6.37.5
3〜4種類の経口薬の使用割合7045
インスリンの使用割合7755
3〜4種類の経口薬+インスリン製剤の割合6218
10Kgを超える体重増加の割合2814
ACCORD試験は2型糖尿病で心血管疾患リスクが高い患者1万人を対象とした試験で、血糖値をできるだけ正常値に近付ける集中治療が標準治療より優れることを確認することであった。

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