リハビリ中止は死の宣告 免疫学者 多田富雄
MEDICAL ASAHI 2008.10
要約
・2006年診療報酬改定でリハビリの日数は発症から180日となった。
・リハビリ患者の退院率が低い病院は診療報酬の引き下げ
・医師の医療権を制限した歴史的な改悪
・医療者側の危機感のなさが厚生省の暴挙を許したことも一因
・高齢者のためを考えているかにみせかけて医療費の削減
マスコミもみせかけの制限緩和にだまされている→報道が積極的ではない
・リハビリ日数制限は『棄民法』、『うば捨て医療制度』
・厚生省は治る見込みのある患者だけを選別する非人間的成果主義を打ち出している
・医療者もマスコミも制度の矛盾を訴えるべき
・医師会、リハビリ関連団体は改悪を見逃した→学会はモラルを取り戻すべき
・機能低下は周りから見えにくい
憲法25条の生存権の侵害である
・社会学者鶴見和子は95年脳集結で左半身麻痺になった、彼女は『人権を無視した制度がまかり通ると、この社会は戦争に突き進みかねない』と指摘
朝日新聞ももう一度この問題を取り上げて伝えて欲しい
・官僚に何かを期待することは出来ない→市民の言葉の力が必要、
・市民が立ち上がれば沈黙を守っている議員も官僚も動かざるを得ない
・特養職員の賃金は低い→離職者が跡を絶たない
・東南アジアから安い介護者を入れる政策ではうまくいかない
・介護者だけではリハビリはむつかしい→介護で医療の代わりは出来ない
・少しは安心できるましな世の中になってほしい
・日本には絶望してはいない

※多田富雄先生は旅行先の金沢で脳梗塞発症、金沢大学医学部付属病院に入院。
右半身麻痺、高度の構音障害、嚥下障害の後遺症。
その後、東京でのリハビリで発症後5ヶ月で杖歩行可能となった。
しかし、現在、リハビリ制限で歩行できなくなった。

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