高気圧酸素治療に再び脚光
日経メディカル2009年2月号「トレンドビュー」
杏林大形成外科・美容外科講師 大浦紀彦先生
・「糖尿病や下肢虚血で膝上切断を行った患者の治療に高気圧酸素治療が有効
高気圧酸素治療(hyperbaric oxygen therapy:HBO)は、密閉高気圧下で100%酸素を吸入させる
・HBOを行うと血漿中の融解酸素が多くなり、組織の酸素分圧は10倍以上になる
 @創部の低酸素状態の改善
 A浮腫の軽減
 B殺菌・貪食作用の亢進
 C血管新生や線維芽細胞増殖
・急性一酸化炭素中毒やガス壊疽などが保険適用
 急性末梢血管障害(重症の熱傷または凍傷、広汎挫傷または中等度以上の血管断裂を伴う末梢血管障害)も適応疾患
・圧力は2.0〜2.8気圧、時間は1〜2時間、1日1回、20〜30回
・一般で使用される“酸素カプセル”は1.3気圧までしか加圧できないので医学的な効果はほとんどない。
・HBOの装置は、80年代に保険適用となり、現在、全国で600施設以上に導入されている。
・診療報酬の割に人手や時間がかかり、使われなくなってしまった。
・装置は1人用で1台3000万円程度。治療は2時間以上かかるが、診療報酬は1日につき200点ではとてもペイしない。


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