インフルエンザウイルスには強毒も弱毒もない
Medical Tribune 2009.8.6 30面
神奈川県警友会けいゆう病院小児科菅谷部長談
・新型インフルエンザに『弱毒』という表現がされているが適切でない
ヒトおよびブタのインフルエンザに強毒株も弱毒株もない
・高病原性トリインフルエンザの16種亜型のうちH5とH7がニワトリに対して強毒株という意味
・S-OIVが重症なのか軽症なのかは第1波、2波の状況をみないと分からない
・スペインかぜでは日本での死亡者は約48万人(罹患者の0.9%)、しかし高齢者での死亡はほとんどなかった。(若年時にH1N1亜型に感染していた)
・新型インフルエンザは香港かぜの流行パターンに類似性あり
・香港かぜ
 7月に香港で50万人の患者発生、8月に日本で神戸港、羽田空港を中心に蔓延
 10月に散発的な発生
 翌年の1969年1月以降に大流行(一波で2万人死亡、翌年11月の2波で5万人死亡)
・新型インフルエンザは香港かぜ程度の病原性
・新型インフルエンザの流行予測として第1波、2波で3200万人(人口の半分)が罹患する

国利病院機構三重病院 庵原俊昭院長(小児科)談
現在使用されているワクチンではブタ由来インフルエンザ(A/H1N1)ウイルス(S-OIV:swine-origin influenza virus抗体は上昇しない
・沈降新型インフルエンザ(H5N1株)ワクチンは水酸化アルミニウムをアジュバントとした全粒子ワクチンがエンベロープをはずしたスプリットワクチンより高い抗体価を誘導できる
・全粒子ワクチンは発熱、局所反応の頻度が高い
・S-OIVはスペインかぜに近い抗原性を有する。60才以上の333%が抗体をもつとの報告
私見)
『60才以上の33%・・・』の60才という年齢は少しおかしいのではないか?
香港かぜの死亡者数は日本ではなく全世界での死亡者数、日本では2000人くらい死亡
H5N1は高病原性トリインフルエンザのはず・・??

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