人工視覚システム
Medical Tribune 2009.8.6
・大阪大学大学院感覚機能形成学 不二門尚教授談
・網膜色素変性症、加齢黄斑変性等の網脈絡膜変性疾患により視細胞が変性した失明者の治療
・脈絡膜上経網膜電気刺激(STS)方式
・CCDカメラでとらえた映像を体外から皮下の受信機に送信し、強膜または脈絡膜上に設置した刺激電極に信号を送る
●利点
・眼球壁に電極を設置するので手術侵襲が少ない
・電極の安定性、調整が容易
・網膜への侵襲が少ない
・広い視野が確保できる
●欠点
・電極が網膜と離れているので網膜細胞を興奮させる電流閾値が高くなる
・空間分解能が低い

・網膜色素変性症進行例での急性臨床試験では限局性の疑似光覚(フォスフェン)を認めた
・電極数を増やせばさらに有用性が期待される(高い解像度が得られる可能性)
・訓練、リハビリで視機能がさらに改善する可能性(人工内耳で実証済み)
・近い将来歩行、読書が可能な程度に視機能を回復させることが可能だろう


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