『私の視点』
日本慢性期医療協会会長 武久洋三
2009.8.22 朝日新聞 朝刊
・慢性期の高齢者患者は医師、看護師の関与度が低い特養、グループホーム、有料老人ホーム、高齢者専用賃貸住宅へと移動した。
・夜間は介護職員に責任が委ねられている。急変時には嘱託医より救急車を呼べと指示されることもある。
・重症・軽症の判断なしに慢性期高齢者の急変患者が救急病院・救命救急センターに搬送される。
・軽症と判断しても送り返せない。その結果少ない救急ベッドが占拠され本当に救急処置を要する患者が入れない。
・日本慢性期医療協会はこのミスマッチをなくすことが救急難民発生の予防になると考えた。
・脱水・低栄養などの治療の必要性の少ない高齢患者を地域の慢性期病院に転院してもらう。
・平成20年12月から大阪府で10の三次救急センターと24の慢性期病院で連携し約60件の成果があった。
・連携前は紹介から転院まで平均14日が平均2.7日に短縮された。
・東京でも都内の救急病院と大規模な連携を始めている。
・この方法は医療費の削減にもつながる。
 救急病院入院で1日10万円以上が慢性期病院では1日1万2千円
・この差額分を救急医療と慢性期以後の医療・介護で半分ずつ分ければ医療費の枠は今のままでも改善できる。
・医師・看護師などの人的資源と医療資源を効率的に利用出来るのではないか。
私見)
平成22年3月末で療養型病床は廃止になる。その後は医療療養型病院だけになる、そうなると医療区分の高い患者しか受け入れが出来ない(経営的に)。救急ですでに治療が終わって医療区分の低い患者の受け入れはできなくなることも考えなければならない。
医療費が削減出来るということは治療のレベルが低くなるということか?

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