インフルエンザウイルスの歴史に迫る
血液に残る足跡を追え
 日経新聞朝刊 2009.10.18
・H1N1型の歴史
 ・1918年に流行したスペインかぜは約40年間流行
 ・1957年にアジアかぜが出現し消えた
 ・1977年に消滅したはずのスペインかぜの子孫が再び出現し流行を繰り返す(どこかの研究所に保存されたウイルスが事故で流失した?)→Aソ連型
・一部の高齢者の抗体が新型ウイルスに効果があるのか?
 ・流行する間にAソ連型はスペインかぜとは遺伝子が大きく変異
 ・スペインかぜウイルスがブタに侵入し90年間にわたって受け継がれた
  ・畜産用ブタは毎年出荷され免疫を持つブタは残らないウイルスの遺伝子変異を起こしにくい
 ・新型ウイルスはAソ連型とはかなり性質が異なり、スペインかぜに近い
 ・スペインかぜに感染既往高齢者の抗体は効く
・保存血液を検査(『血清考古学』)した結果、57年のアジアかぜ、68年の香港かぜなどにも高齢者の一部に免疫がある。
・さらにスペインかぜ流行前の1889年にH2N21900年にH3N8が大流行したことが判明
・『抗原循環説』:人ではH1、2、3のウイルスが順番に流行を起こすという説。
 ・そうだとするとH5N1やH9N2などのトリインフルエンザの流行はないということになる
 ・インフルエンザ流行は紀元前5世紀のヒポクラテスの記録にも残っているくらい古い、長い歴史の一部を見ているにすぎず根拠に乏しい
・スペインかぜのウイルスの確定経緯
1997年米国陸軍病理学研究所がアラスカの永久凍土に埋葬されたスペインかぜで死亡した遺体からウイルス遺伝子の分離に成功し、H1N1型であることを判別した。
参考)あるホームページに書かれていた記事によると
米国メリーランド州米陸軍病理研究所のタウベンバーガー博士らは、1918年にスペイン風邪で死亡し、アラスカの永久凍土に埋葬されていた女性から取り出したゲノム情報を解析し、その解析された情報をマウント・サイナイ医科大学(ニューヨーク)の研究者に提供した。
リバース・ジェネティクス法で遺伝情報を元にプラスミドと呼ばれる微小遺伝物質を作成した。
その後プラスミドはアトランタの米疾病管理センター(CDC)でヒトの腎細胞に注入し、ウイルスを再現した。

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