『エコナ』騒動の教訓
日経新聞 2009.11.22 朝刊
・食用油のエコナにグリシドール脂肪酸エステルが含まれる
・グリシドール脂肪酸エステルが消化後、発ガン物質『グリシドール』に分解される(2009年3月ドイツで指摘)

通常の食用油で0.5〜9.1ppm含有に対しエコナ・クッキングオイルは91ppm含有
・花王は2009年9月にエコナ関連商品のトクホ表示を自主返上し、含有量を減らした
・グリシドール脂肪酸エステルの安全性関するデータは少なく、過剰摂取に関する有害性不明
・エコナの動物での長期投与のデータは提出されていない

トクホ(特定保険用食品)とは
 ・食品はパッケージ、広告で健康への効能は表示できない
 ・例外的に国の審査を受け表示が認められるのがトクホ
 ・動物実験と数十人程度の測定データの提出が必要
 ・2007年度売り上げ6798億円

・トクホの表示許可は2009年9月に厚労省から消費者庁へ
トクホの問題点
 ・安全性に問題があったとき消費者庁に迅速な対応がとれない
 ・安全性の結論が出るまでに長時間かかる→トクホ表示が結論が出るまで可能→自主的に取り下げる以外だめ
 ・認可(1998年)後の再評価制度が必要→新データが出る(2008年に問題指摘)→有効期限が必要
 ・宣伝では効能ばかりでネガティブ情報がない
 ・臨床試験例数が少なく、長期の安全効果が追跡されていない

・トクホ廃止論ではなく、いいかげんな健康食品と区別するためトクホは有用との意見もあり

ジアシドールグリセロール(DAG)グリシドール脂肪酸エステル
 ・エコナの主成分はDAG
 ・DAGはグリセリンに脂肪酸が2個結合した構造
 ・食用油の主成分トリアシルグリセロールより脂肪酸が一個少なく、脂肪が付きにくい
 ・過去に発ガン性の指摘
 ・2003年厚労省が動物実験結果から問題なしとしてトクホ許可
 ・エコナ製造の脱臭工程グリシドール脂肪酸エステルが生じる
私見)
あまり、いじくった食品は危ないということだろう。

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