INRが治療域を超えたときの対応
参考URLより
INR
出血
推奨する対応
治療域から<5.0なしワーファリン投与量を下げる
ワーファリンを投与せず、INRが治療域なってから少量から投与再開
INRの軽度延長ならば投与量を減らさない
5.0≦INR<9.0なしワーファリンの投与を1〜2回止め、INRを頻回に測定してINRが治療域になってから、少量から投与再開
ワーファリン投与を保持し、ビタミンK1を1〜2.5mg経口投与する
INR≧9.0なし ワーファリン投与を保持し、ビタミンK1を5〜10mgを経口投与
INRを頻回に測定し、必要なら多くのビタミンK1を投与
INRが治療域になったら少量のワーファリンから再開
>20 ワーファリンを投与しながら点滴でビタミンK1を10mg投与
臨床的緊急度に応じて濃縮プトロンビン複合体、凍結血漿、リコンビナントヒトZa因子の補充投与
必要に応じてINR測定を繰り返し行う
いづれの値でも生命に脅威INR>20を越える

※引用抜粋
Ansell, J,Hirsh,J,Poller,L,et al. The pharmamacology and management of the vitamin K antagonists:the Seventh ACCP Conference on Antithrombotic and Thrombolytic Therapy,Chest 2004;126:204S
状態
説明
INRが治療域を超えるが<5.0
明らかな出血がない
・投与量を下げるか中止し、頻回にINR測定し、INRが治療域になったら少量から再開、
・INRの上昇が軽度なら場合によっては投与量を減らさない
5.0≦INR<9.0
明らかな出血がない
・1回から2回投与を中断し、頻回に測定しINRが治療域になったら少量から投与再開
・特に出血の危険があるなら、投与を中止し、ビタミンK1(5mg以下)を経口投与
・緊急の手術で急にもとにももどす必要があるなら、ビタミンK1(2〜4mg)を経口投与すれば24時間でINRは低下することが期待される。INRがまだ高値ならさらにビタミンK1(1〜2mg)の経口投与をすることも可能
INR≧9.0
明らかな出血がない
・ワーファリン治療を保持し、高容量のビタミンK1(5〜10mg)の経口投与
・大体24〜48時間くらいでINRは低下することが期待される
・頻回にINRを測定し必要ならビタミンK1の追加投与
・INRが治療域なったら少量より再開
値に関係なくINRが高値で、かなりの出血がある ・ワーファリン治療を保持し、点滴でビタミンK1を投与(10mgをゆっくりと点滴)
・緊急度に応じて新鮮血漿または濃縮プトロンビン複合体を投与
・濃縮プトロンビン複合体の代わりにリコンビナントヒトZa因子も考慮する。
・ビタミンK1は12時間ごとに繰り返し投与
生命に危険のある出血 ・ワーファリン治療を保持し、点滴でビタミンK1を投与(10mgをゆっくりと点滴)といっしょに濃縮プトロンビン複合体を投与、
・濃縮プトロンビン複合体の代わりにリコンビナントヒトZa因子も考慮する。
・INR値によっては繰り返し行う
引用:Correcting excess anticoagulation after warfarin UptoDate 14.3

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