CT検査による放射線被爆で予想以上に高い発がんリスク
メディカルトリビューン2010.03.04
・Archieves of Internal Medicine 2009;169:2078-2086,2071-2077
米国でのCT実施率、1980年300万件、2007年約7000万件
・CT検査で得られる便益は大きいが通常のX線と比べ放射線被曝が大きい
・年間の被爆者数が多いため、将来的に発がん数が多くなる可能性
・便益とリスクバランスを取るには画像診断検査でいかに多くの放射線被曝を受けるか理解すべき
・通常頭部CTで2mSy(シーベルト)、腹部・骨盤CTで31mSy
・発がんリスクは40才で冠動脈造影を受けた場合の女性で270例に1例男性で600例に1例と推定
頭部CTの発がんリスクでは女性で8100例に1例男性で1万1080例に1例の可能性
20才でのリスクはおよそ2倍60才ではその半分
・CTに由来する放射線被曝を抑制するために
 @不要な検査を減らす
 A1検査あたりの線量を減らす
 B患者や施設間での線量の差を縮小
・現行の検査実施の変更でリスクは回避可能 
 ・成人(35〜54才)での腹部、骨盤、胸部CTで放射線量や被曝量の抑制に関して評価が必要
・CT検査の放射線量はこれまで考えられていた以上に多く、年間数万例のガンを引き起こしかねない
・CT検査の感度上昇でたまたま異常が見つかり、そのためさらに放射線検査の実施につながっている。
手技や治療の利益がリスクを上回ることを保証するのが医学の基本方針
・将来の不必要な発がん率の上昇を避けるため医師はCT検査から予想される利益を慎重に評価し、リスクを患者に伝えなければならない


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