β遮断薬療法の本来あるべき姿
日経CME2010.03
・高血圧治療ガイドラインにおけるβ遮断薬の位置づけ
JSH2009(高血圧治療ガイドライン) β遮断薬の積極的適応
積極的適応 ●心不全※1
●頻脈
●狭心症※2
●心筋梗塞後
その他の適応 ●若年者(交感神経活性亢進)
●高心拍出型症例
(甲状腺機能亢進症などを含む)
●高レニン血症
●大動脈解離
※1:少量より開始、注意深く増量
※2:冠攣縮性狭心症では注意
・β遮断薬が第一選択薬としない理由
 ・高齢者の脳卒中抑制効果がやや弱い
 ・Ca拮抗薬に比し、中心血圧が下がりにくい(心血管エベントに関連)
・β遮断薬を使う方がよい場合
 ・虚血性心疾患、心不全、頻拍疾患の合併
 ・他の降圧薬で十分な降圧が得られない高リスク群(DM、CKDなど)
 ・利尿薬を含む3剤以上で十分な降圧効果が得られない

・心房細動予防でのβ遮断薬の意義
JSH2009心疾患を合併する高血圧の治療
心房細動の予防 ・予防の観点からRA系阻害薬を中心とした十分な降圧が勧められる
(特に発作性心房細動や心不全合併例、左室肥大や左房拡大が明かな症例)
・慢性心房細動患者では、心拍数コントロールのためにβ遮断薬や非ジヒドロピリジン系Ca拮抗剤を考慮する。
・高血圧合併心房細動で電気的除細動後洞調律が維持できたのはβ遮断薬のみ
・ジギ、Ca拮抗薬、ACE阻害薬では再発例がかなりあった

・β遮断薬の禁忌と慎重投与
JSH2009主要降圧薬の禁忌もしくは慎重投与例

禁忌慎重投与
Ca拮抗薬徐脈(非DHP系)心不全
ARB 妊娠
高K血症
腎動脈狭窄症
ACE阻害薬 妊娠
血管神経性浮腫
高K血症
腎動脈狭窄症
利尿薬
(サイアザイド系)
痛風
低K血症
妊娠
耐糖能異常
β遮断薬 喘息
高度頻脈
耐糖能異常
閉塞性肺疾患
末梢動脈疾患
※両側腎動脈狭窄症は禁忌
・第V度AVブロックも使用禁忌
・高齢者には慎重投与
私見)結論的にはあまり使わない方がいいということか?

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