・高血圧治療ガイドラインにおけるβ遮断薬の位置づけ
JSH2009(高血圧治療ガイドライン) β遮断薬の積極的適応 |
積極的適応 |
●心不全※1
●頻脈
●狭心症※2
●心筋梗塞後 |
その他の適応 |
●若年者(交感神経活性亢進)
●高心拍出型症例
(甲状腺機能亢進症などを含む)
●高レニン血症
●大動脈解離 |
※1:少量より開始、注意深く増量
※2:冠攣縮性狭心症では注意 |
・β遮断薬が第一選択薬としない理由
・高齢者の脳卒中抑制効果がやや弱い
・Ca拮抗薬に比し、中心血圧が下がりにくい(心血管エベントに関連)
・β遮断薬を使う方がよい場合
・虚血性心疾患、心不全、頻拍疾患の合併
・他の降圧薬で十分な降圧が得られない高リスク群(DM、CKDなど)
・利尿薬を含む3剤以上で十分な降圧効果が得られない
・心房細動予防でのβ遮断薬の意義
JSH2009心疾患を合併する高血圧の治療 |
心房細動の予防 |
・予防の観点からRA系阻害薬を中心とした十分な降圧が勧められる
(特に発作性心房細動や心不全合併例、左室肥大や左房拡大が明かな症例)
・慢性心房細動患者では、心拍数コントロールのためにβ遮断薬や非ジヒドロピリジン系Ca拮抗剤を考慮する。 |
・高血圧合併心房細動で電気的除細動後洞調律が維持できたのはβ遮断薬のみ
・ジギ、Ca拮抗薬、ACE阻害薬では再発例がかなりあった
・β遮断薬の禁忌と慎重投与
JSH2009主要降圧薬の禁忌もしくは慎重投与例 |
| 禁忌 | 慎重投与 |
Ca拮抗薬 | 徐脈(非DHP系) | 心不全 |
ARB |
妊娠
高K血症 | 腎動脈狭窄症※ |
ACE阻害薬 |
妊娠
血管神経性浮腫
高K血症 | 腎動脈狭窄症※ |
利尿薬
(サイアザイド系) |
痛風
低K血症 |
妊娠
耐糖能異常 |
β遮断薬 |
喘息
高度頻脈 |
耐糖能異常
閉塞性肺疾患
末梢動脈疾患 |
※両側腎動脈狭窄症は禁忌 |
・第V度AVブロックも使用禁忌
・高齢者には慎重投与 |